「M&M'S × kate spade」あえての異業種コラボが仕掛ける戦略

チョコレートで有名な「M&M'S」と、スタイリッシュなバッグが人気の「kate spade new york」。一見共通点が少ないように思える両ブランドが、この冬、予想外のタッグを組んだ。

“甘辛ミックス”が心を掴む、
注目の限定コレクション

今回のコラボレーションのテーマは、ズバリ「M&M'Sのチョコレート」。遊び心溢れるデザインが魅力で、カラフルなチョコレートを模したバッグチャームや、M&M'Sのパッケージを彷彿とさせるクロスボディバッグなどが展開されている。

©タペストリー・ジャパン合同会社
©タペストリー・ジャパン合同会社
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なぜ今、異業種コラボなのか?

近年、ファッション業界を中心に、異業種コラボがトレンドとなっている。その背景には、消費者の価値観の変化がある。従来のステータスシンボルとしてのブランド消費から、個性や体験を重視する消費へとシフトしている証拠かもしれない。とくにZ世代は、SNSでの共有を前提とした「映える」体験を求める傾向が強い。今回のM&M'Sとkate spade new yorkのコラボも、そんな彼らをターゲットにした戦略と言えるだろう。

たとえば、博報堂が2023年に行った調査によると、Z世代の約7割が「企業のコラボ商品に興味がある」と回答。さらに、約8割が「コラボ商品は、自分らしさを表現できる」と感じているという結果も出ている。

Z世代を虜にする
kate spadeの戦略

kate spade new yorkは、以前からZ世代へのアプローチに積極的だ。今回のコラボレーションについて、アメリカ ホールセール、グローバル ライセンス & コラボレーション担当副社長であるCharlotte Warshaw氏は、「M&M'S®とのこのアイコニックなコラボレーションは、まさにそれを実現するものであり、ブランドのZ世代のファンたちに向け表現されています」とコメントした。実際に、kate spade new yorkのInstagram公式アカウントでは、今回のコラボアイテムを着用したモデルの画像や動画が、ハッシュタグ「#katespadejoy」と共に多数投稿されている。

コラボレーションが切り開く
ブランド体験の未来

今回のM&M'Sとkate spade new yorkの異色のコラボレーションは、私たちにブランド体験の進化の可能性を示唆してくれる。商品そのものの価値だけでなく、企業はいかに消費者に新しい体験や感動を提供できるかが、今後のブランド戦略において重要となってくるだろう。

👀GenZ's Eye👀

最近のガチャガチャも同様ですが、食品やコスメなどがグッズになることで、味や品質のファンがそれらを手に入れられるのがイイですね。このようなコラボレーションなどの取り組みが、より深い、濃いファン層を作り出していくのではないでしょうか。

Top image: © タペストリー・ジャパン合同会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。