H&Mの新作が色々と「ファストファッションの域」を解脱している件

ゴージャスだけどサステナブルに、そして安価に、おしゃれを楽しみたい──。

難しかったその夢を、「H&M」が叶えてくれるかもしれない。

つい先日発売されたH&Mの新コレクション「Re-Enchantment Story Collection」は、サステナブル文脈のファストファッションではあまりスポットライトを当てられてこなかった装飾性にフォーカスしたもの。

© H&M

スパンコールやラインストーン、ビーズといった装飾の数々が、安価な値段と持続性を両立させながら、ゴージャスなスタイルを実現。

70年代のグラムロックを彷彿とさせる煌びやかなディティールと、現代らしいミニマルでエッジィなシルエットを併せ持った斬新なコレクションは、ファストファッションとは思えないエレガンスすら感じさせる。

驚くべきは、これらのアイテムは100%リサイクル素材で作られているということ。

ディスプレイ棚や牛乳瓶、さらに家電までをも再利用し、H&Mのサステナブルへのコミットメントの結晶とも言える仕上がりに。また、ピアスやボタンリングなどのジュエリーは98%リサイクルの真珠や鉱物資源を使用。循環型システムを構築しながら、製品クオリティの向上も実現したことに脱帽。

品質の高さを示すかのように、価格も3999円~3万4999円とブランドの中では(比較的)高額な部類となっている。

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なお、本コレクションはH&Mが2021年より展開している「H&M Innovation Stories」というシリーズの一環。

最先端のサステナブル素材にフォーカスした第1弾の「Science Story」から、3Dデジタルファッションを発表した前回「Metaverse Design Story Collection」、そして第9段となる本作「Re-Enchantment Story Collection」まで、多様なテーマからサステナブルな素材を追求するシリーズだ。

安価な素材によって低品質で環境負荷の大きい安いアイテムを大量生産してきたファストファッションの常識を覆すべく、安価なのは(ほぼ)変わらず、リサイクル素材によってエコにクオリティを担保できることを証明している。

持続性にフォーカスすることで様々な課題を克服したコレクションは、まさに“魔法”(enchantment)のよう。

そして、大手であるH&Mがこれを発表することは、業界全体の革新を促す一歩となるはず。「ファストファッションなのに」を超え、「ファストファッションならでは」の道を切り拓くH&Mは、やはり業界を牽引するブランドであり続けるのだろう。

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ちなみに、次回のコレクションとして、ある“やばいブランド”とのコラボが予告されている。追って紹介するので、乞うご期待!

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Top image: © H&M
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。