「Amazon」参入で激化「15分以内配達」で加速する、インドのクイックコマース戦争

スマホでタップするだけで、わずか数十分後には食事や日用品が届く。そんな時代の波が、世界的な経済大国インドにも広がろうとしている。

「ロイター通信」によると、「Amazon」はインドで15分以内の食料品配達サービスの実験を開始した。

巨大IT企業も巻き込む
クイックコマースの熱狂

コロナ禍をバネに、世界中で急成長を遂げているクイックコマース市場。なかでも世界第1位の人口を抱えるインドは、その成長スピードが著しい。

市場調査会社「Datum Intelligence」によると、インドのクイックコマース業界の年間売上高は2020年の1億ドルから今年は60億ドルを超えると予想されている。若者を中心に「必要な時に、必要なものを、すぐに手に入れたい」というニーズが高まり、スタートアップ企業が激しいシェア争いを繰り広げているのだ。

そのため、「Amazon」の参入は競争をさらに激化させることは必至。

熾烈な顧客獲得競争のなか、躍進のカギを握るのは「配送時間」の短縮だ。すでに10分以内での配達を掲げる企業も登場しており、今後このスピード競争はさらに加速していくことが見込まれる。

しかし、追求していくべきは早さだけとは限らない。配達時間の短縮は、配達員の負担増加や交通渋滞の悪化など、新たな課題を生み出す可能性も孕んでいるのだから。

「利便性」と「持続可能性」の両立が未来を拓く

今、本当に求められているサービスとは何か?それは、消費者にとっての「利便性」と社会全体にとっての「持続可能性」を両立させたサービスなのではないだろうか。

たとえば、配達員不足の解消や交通渋滞の緩和に貢献するドローン配達や、地域コミュニティと連携した配送システムの構築などが考えられる。

テクノロジーの進化と社会課題への意識の高まりを背景に、クイックコマースは新たなフェーズへと突入しようとしている。それは単なる利便性を追求したサービスを超え、人々の生活と社会をより良い方向へ導く持続可能なシステムへと進化していく必要があるだろう。

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