これまで以上に「始めやすく、続けやすい」2024年のフィットネストレンドを総ざらい!
2024年のフィットネス業界は、これまでとは少し違う1年だった。というのも、初心者から経験者まであらゆるニーズに対応するサービスが登場し、これまで以上に「始めやすく、続けやすい」環境が整いつつあるのだ。
今回は「株式会社hacomono」が開催した「hacomono Fitness Headlines 2024」で共有された情報をもとに、今年のフィットネストレンドとそこから見えてくる業界の未来について考察していこう。
「運動経験ゼロでも大丈夫」
マシンピラティスとコンビニジム
2024年のフィットネス業界で特に目立ったのが「参加のハードル低下」だ。その代表格と言えるのが、マシンピラティスとコンビニジム。
「株式会社MIGRIDS」の代表取締役・鈴木太郎氏によると、マシンピラティスは「(顧客の)女性から人気の著名人の方が取り組んでいる影響が大きい」という。「SOELU株式会社」の取締役CPO・越塚麻未氏も「リフォーマーが難しい動きをサポートしてくれるため、"できない"というネガティブな思いになりづらい」と、初心者でも挑戦しやすい点を強調する。
いっぽう「chocoZAP」に代表されるコンビニジムは、低価格で24時間利用可能な手軽さが魅力。「株式会社ティップネス」代表取締役社長・岡部智洋氏によるとchocoZAPは入会する94.1%の方がジム初心者と、これまでフィットネスとは無縁だった層の取り込みに成功している。
ライバルからパートナーへ
総合ジムと専門ジムの「協創」がもたらす未来
chocoZAPの登場は、運動習慣のない人々にフィットネスを身近な存在にした。しかし、日本体育大学教授・岡田隆氏は「(chocoZAPの顧客から)"あれは筋トレといえますか?"というコメントが寄せられている」と、新たな課題も指摘する。
そこで注目されているのが、総合型ジムと専門ジムの「協働」という動きだ。
たとえば、「ELEMENT」は総合ジム内にパーソナルトレーニングやマシンピラティスの専門スタジオを併設。「総合クラブや24時間ジムのスタッフさまは対応すべき業務が多岐にわたるため、新たなサービスを提供する余裕がないというケースが多い。そこを私たちのような専門業社にお任せできないかというご相談をいただき、実現した」と鈴木氏は語る。
企業同士がそれぞれの強みを活かし、補完し合うことで、顧客により質の高いサービスを提供することが可能になる。
来たる2025年、フィットネス業界は「共創」というキーワードのもと、新たなステージへと進もうとしている。運動経験や知識の有無に関わらず、誰もが自分に合った方法で、楽しく身体を動かせる未来は、すぐそこまで来ているのかもしれない。