キレやすい、冷静になれない・・・感情に振り回されやすい人5つの特徴
つい、イライラして周りの人を巻き込んでしまったり、自分だけが嫌な目にあわされていると思い込んだり…。ダメだと思いながらも、自分の感情に振り回されてしまう人がいます。彼らに共通するある特徴とは?さらには、心理学の観点からその改善法と合わせてご紹介!
01.
物事を大げさに捉え
1つのことで頭がいっぱい
感情的になった人をなだめる時、よく「冷静になれ」などと言いますよね。これには2つの失敗パターンがあるのです。「物事を大げさに捉えてしまうこと」と「1つのことで頭がいっぱいになってしまうこと」です。
後者について例を挙げましょう。
たとえば、とても厳しい上司がいて報告書を出しに行くたびにキツイ言葉で叱られるとします。「また叱られたらどうしよう」という不安にかられると、頭がいっぱいになってしまい、大事なことに気が回らなくなってしまいますよね。このように、人は感情的になると、バランスを考えて行動することができなくなるのです。
02.
ひとたび「負の感情」が湧くと
脳を支配されてしまう
世界的ベストセラー『EQーこころの知能指数』の著者、ダニエル・ゴールドマンは「人は感情的になりすぎると、心が感情によってハイジャックされてしまう」と述べています。つまり、「感情」に脳が乗っ取られてしまい、「思考」によるコントロールの制御がきかなくなってしまうのです。怒りの感情が非常に強いタイプの人がキレると暴力を振るったり、物を投げたり、相手を怒鳴りつけたりするのもこれが原因。
こんな事態を避ける方法は、事前策のみです。感情が高ぶってきたら、あまり強くなりすぎる前に食い止めること。具体的には、気分転換で感情をリセットすること。そして、自分を支配している思い込みに気づくことです。
03.
「被害妄想」と「権利意識」
2つの思い込みが強すぎ!
私たちが感情的になってしまう時は、何らかのネガティブな思い込みが背景にある場合が多いもの。その思い込みの1つが、「被害妄想」です。相手は悪いやつで、一方的に自分が嫌な目にあわされている、という考え方。
たとえば、急に恋人から「待ち合わせに遅れる」と連絡があった時、「いい加減な人」だとか「バカにされているとしか思えない」…と考えているうちにどんどん怒りが大きくなる。といった場合です。
もう1つは、「権利意識」と呼ばれるもので、”自分にはまっとうに扱われる権利があるはずだ”という、これも思い込み。先ほどの待ち合わせの例で言うと、「こんな目にあうのは不公平だ」「自分にはもっと大切に扱われる権利があるはずだ」という考えが、これに当たります。
「ひょっとして自分の考えは極端すぎるのではないか?必ずしもそうとは言えないかもしれない」と、逆の視点から問いかけてみると、もっと冷静な考えが出てくるはずなんですけどね。
04.
悩んでいるときに
解決の“優先順位”を
付けられない
人は、何かに悩んでいる時にも頭がパニック状態になり、何をどうしたらいいのか整理できなくなってしまうものです。この場合も「思考」がうまく機能しておらず、感情的になっている状態。そんな時は、自分にとって何が一番大切なのか優先順位をつけてみるとスッキリするでしょう。
ある男性の例を紹介します。
職場を異動してから仕事がなかなか覚えられず、役に立てていないと引け目を感じているため、新しい人間関係に溶け込めません。だんだんと職場に行くのも憂鬱に。でも、冷静になってみたとき、この職場でできる限り多くのことを学び、今後のキャリアに役立てることが重要だと気づいたのです。みなさんも、方向性が見えなくなった時は、何が一番大切かを考えましょう。
05.
結局、自己理解ができていない
健康的な心を手に入れるための重要なポイントは、自分のことをどれだけ知っているかです。つまりどれだけ「自己理解できているか」。これさえ身につけてしまえば、精神的におだやかに過ごすことができ、生きる自信も自然と身に付いていくことでしょう。
自己理解を深めるためには、日常の中で自分について考えたり、分析したりするクセをつけることが大切です。じっくり自分と向き合うために、以下のような方法がおすすめです。
■自分について深く知る方法の例
・日記をつけ、起きた出来事とその時の感情・行動を記録。
・信頼できる仲間と、自分の思考や行動パターンについて話し合う。
・他者の視点から人生を見つめるため、映画を見たり本を読む。
・普段と違う自分と出会うため1 人旅に出る。
・自分の考えの客観性を高めるため、他人に考えを聞く。
・自分が抱えている悩みや考えについて、専門的なカウンセリングを受ける。
『人は心理学で永遠に幸せになれる』
コンテンツ提供元:ワニブックス
メリーランド州立大学で心理学を学ぶ。帰国後は、精神科クリニックや児童相談所、スクールカウンセラーなどを経て、現在は大手外資系企業の社員向けカウンセリングを行い、相談数は2000ケースにのぼる。相談者自身が持っている成長力を活かすことで、短時間で高い効果を上げる独自のカウンセリング手法に定評あり。