いつも幸せそうな人に共通する、感情コントロール術7つ
イライラ、クヨクヨ、ムシャクシャ、メソメソーー。
このような感情によって、日々、自分が乱されていると感じる人はとても多いと思います。けれど、これは非常に大きなリスク。もし心当たりがある人は、ここで紹介する感情コントロール術を実践してみてください。仕事をはじめとした人生のさまざまな局面で、大きな武器になるはずです。
01.
すべての物事を
「想定内」と受け止める
私は、「心のギアはいつもニュートラルに」という心構えを持っています。ニュートラルとは、偏りがなく、つねに変わらないでいることです。イヤなことがあっても、動揺したり落ち込んでクヨクヨしたりせず、反対に嬉しいことがあっても、舞い上がったりしない。いつもフラットな心でいるのです。
この状態を保つために、私はものごとや日々の整理を「これくらいのことは想定内!」と受け止めるようにしています。
ものすごく嬉しいことが起きても「想定内」。
トラブルに巻き込まれても「想定内」。
良いことも悪いことも「これは想定内!私の許容範囲だわ」と、受け止める。名づけて「想定内理論」。この理論を活用すれば、有頂天になったり、ひどく動揺したり、落ち込んだりするようなことはありません。感情の並に翻弄されずに済むのです。
02.
喜怒哀楽を
必要以上に意識しない
「いつもフラットな心でいるって…無感動になればいいの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、私が言いたいのはそういうことではありません。叱られても平気、褒められても嬉しくもなんともない。それでは、幸せを感じられるわけがありません。喜怒哀楽は、しっかり感じて良いのです。ただその感情に振り回されないためには、必要以上に意識しない、というのがポイントです。
嬉しいことを意識しすぎる人は、良くないことにも過剰に反応してしまいます。結果、ジェットコースターのように感情のアップダウンを繰り返しがちになってしまうのです。
なぜ、こんなことになってしまうのか。それは、心の「強み(優越感)」と「弱み(コンプレックス)」が表裏一体だから。つまり、「強み」を感じれば感じるほど、弱みもまた強く感じてしまうということです。とにかく、なにごとも必要以上に意識しない、褒められたときも叱られたときも一喜一憂しない。これが、心をフラットな状態に保つ秘訣です。
03.
等身大の自分ができる
ことしかしない
「美津奈ちゃんは美津奈ちゃんだ。自分以下でも以上でもないんだよ」。
学生時代、ある方からいただいた言葉です。そのときは意味がよく分かっていなかったのですが、今思い返すと、その時の私は背伸びをしていたのでしょう。大人っぽく見せようとして、服装にもメイクにも振る舞いにも、無理があったのかもしれません。
自分は、自分以上でも以下でもない。この言葉の意味が分かるようになってから、自然と自信が持て、私はとてもラクになりました。自分を大きく見せようとしたり、反対に、自分を小さく感じて卑下するようなこともなく、「等身大の自分ができることをする、でいいんだ」と、思えるようになりました。CA時代も今も、この言葉はいつも私に寄り添ってくれています。
04.
実力の8割が
出せれば合格!
「自分は自分以上でも自分以下でもない」と考えると、気負ったり、緊張したりせず、自分が持っている力をストレートに出すことができます。とはいえ、この発想を自分のものとして定着させるのは、最初は難しいかもしれません。ここ一番というときに、どうしても気合が入りすぎることはあるでしょう。私だって、もちろん周りの人の期待に応えたいという気持ちは持ち合わせています。
ですが、私は「実力の8割が出せれば大丈夫」と考えるようにしています。100%出しきろうとすると、それが叶わなかった時に感情が乱されてしまいますし、そもそも実力の100%を出しきれることのほうが稀。「8割出せば合格」と思っているほうがリラックスでき、かえって良い結果が生まれるはずです。
もちろん、手を抜いていいという意味ではありません。この考え方は、努力を積み重ねている人にだけ当てはまるもの。努力を怠っている人が「8割出せればいいや」と慢心すると、その人が手掛ける仕事のレベルはどんどん下がり、周囲からの信頼を失ってしまうことでしょう。この考え方は、努力とセットだということを忘れないでください。
05.
反省はしても
自分を責めない
仕事でミスをしたり、人間関係でトラブルを抱えてしまったとき、「あのとき、私がこうしていれば、こんなことにはならなかった…」などと、自分を責める人がいます。しかし、ネガティブな感情で頭の中を満たして行き着くところは、「全部私のせいだ」という自己嫌悪。しかし、いくら自分を責めて後悔しても、発生した問題の結果を変えることはできません。大切なのは、失敗から何を学び、次にどう活かすかです。
まずは、自分の至らなかった点を素直に反省する。そして次は、関わった人やその状況の問題点を振り返るなどして、ケース全体を見直してみる。そうすれば、いろいろな要因が重なっていたことが明らかになり、同じ失敗を繰り返さないための対処法も見えてくるはずです。こうして、ものごとを客観的に振り返るうちに、心は冷静さを取り戻し、ネガティブな感情からも解き放たれることでしょう。
06.
失敗は一気に
返上しようとしない
仕事で失敗をしたあと、それを一気に返上しようとしてやりすぎ、「怪我」をする人がいます。心の奥底に動揺が残っているのに、勝負に出て、さらなる失敗をしでかしてしまうのです。
そんな事態に陥るのを避けるために私は、反省し、「二度としない」と心に誓ったあとは、「弱」で進むようにしてきました。CAの仕事は、よかれと思ってお客様にさまざまなサービスをさせていただくのですが、そこをあえて、少しだけ抑えるようにするのです。多くの人は失敗を返上しようとして、褒められそうなことを率先して行うなど、お客様に密着しがちになります。しかし、私はあえてそれをしない。もちろん、笑顔で接する、丁寧にお食事のサーブをするなど、基本的なことは細心の注意を払いながらきっちりとやります。
こうして心の状態が安定してきたら、少しずつサービスに付加価値をつけていく。自分ができることを少しずつ実践して、自信を回復させるというところでしょうか。
07.
恋愛、仕事、モノ…
執着は一切持たない
若かりし頃、お互いに惹かれ合っていた男性から「実は婚約者がいる」と告げられたことがあります。本当にショックで、悲しみで心は引き裂かれんばかりでした。でも、自分の心と正直に向き合ってみてわかったのは、私が望むのは彼の幸せだということ。彼は私のほうに心が傾いているとはいえ、彼女のほうにも気持ちがある。私があきらめさえすれば、万事うまくいって、彼は幸せになれる。そんな風に思った私は、身を退くとき、彼に言いました。
「私はあなたでなくても、幸せになれる自信がある。だから、あなたは彼女と幸せになってください」。
やせ我慢でも負け惜しみでもありません。それが私の本心でした。無理やり相手を手に入れようとすると、自分が痛手を負うだけです。「執着」は、良い結果をもたらしません。恋愛でも仕事でも、何か欲しいものでも、「何が何でも手に入れたい」という気持ちだけ、自分の努力だけでは、どうにもならないことがあるのです。だから、キレイさっぱりお別れして、次の出会いを待ったほうがいいのです。
『幸せな女の働き方』
コンテンツ提供元:里岡美津奈
人材育成コンサルタント。1986年全日本空輸株式会社(ANA)に入社。在職中、VIP特別機搭乗を務め、皇室、各国元首脳の接遇で高い評価を得る。2010年に退職。現在は人材育成コンサルタントとして、一般企業や病院でコミュニケーションスキルアップの指導にあたっている。