中国発「MINISO」がヨーロッパに上陸、革新的な「MINISO LAND」を発表
一時はネット上で、"無印良品とユニクロとダイソーを足して3で割った中国ブランド"と揶揄されたこともあった「MINISO」が、世界中で店舗数を拡大中。
その勢いは留まることを知らず、昨年12月にはヨーロッパ初となるフラッグシップストア「MINISO LAND」をスペイン・マドリードにオープンさせた。なんでも、彼らが提案するのは「テーマパーク」のような体験型ショッピングらしい……!
想像を超える規模感
2フロア構成の「MINISO LAND」
中国を中心に、世界各国で主に雑貨販売を行う「名創優品(MINISO)」。同社が新たに展開する「MINISO LAND Madrid」は、2フロア構成で広さ1100平方メートルという、想像を遥かに超えるスケールだ。
店内には6000種類以上の商品が所狭しと並んでおり、そのうち約70%が驚きのIPコラボ商品。サンリオ、スヌーピー、ディズニーなど、誰もが一度は心を奪われたキャラクターたちの専用エリアも充実し、大人も童心に返ってワクワクが止まらない。
気分はまさにテーマパーク!
同施設最大の特徴は、人気キャラクターの世界観にどっぷりと浸かれる空間設計だ。たとえば、「ハリー・ポッター」のエリアに足を踏み入れれば、まるでホグワーツ魔法魔術学校に迷い込んだかのような気分になれるだろう。
MINISO Overseasのゼネラルマネージャー兼バイスプレジデントであるVincent Huang氏は「IPコラボは、MINISOの重要な戦略カテゴリーだ。このハイレベルなストアフォーマットは、特にスペインの消費者に愛されている、私たちの人気IPコレクションを完璧に展開している」とコメント。
従来のキャラクターグッズ販売とは一線を画し、キャラクターの世界観を全身で体感できる空間作りこそが、「MINISO LAND」の戦略の要と言えるだろう。
Z世代をトリコにする仕掛けが充実
「体験」を重視した空間演出
「MINISO LAND Madrid」の魅力は、ただ商品を並べているだけではないところにも。店内には、巨大クレーンゲームコーナーや、フォトジェニックなペンギン「ペンペン」をモチーフにしたフォトスポットなど、「映え」を意識した仕掛けが至るところに散りばめられている。
これは、商品そのものよりも、商品を通して得られる「体験」や「感情」を重視するZ世代の消費行動を的確に捉えたものと言えるだろう。
実際に、オープンに先駆けて行われた、ペンペンのマスコットによるマドリード市内行進は大きな話題を呼んだという。シベーレス宮殿やカヤオ広場など、街のランドマークをペンペンが楽しそうに練り歩く姿は、人々の心を和ませ、街に活気をもたらしたのだ。
MINISO LANDから目が離せない
世界進出と今後の展望
同社は、2024年9月末時点で世界に約7200店舗を展開しており、ヨーロッパだけでも260店舗に達している。
昨年10月に中国・上海でオープンした「MINISO LAND」1号店は、大きな反響を呼び、瞬く間に話題のスポットとなった。今回のマドリードへの出店は、彼らの快進撃を象徴する出来事と言えるだろう。
リアル店舗の存在意義が問われるなか、「MINISO LAND」は、消費者に「行ってみたい!」と思わせる、新たな体験価値を提供している。世界中の主要都市で展開されていく日も、そう遠くはないのかもしれない。