体験型イベント花王「香屋-KAORIYA-」。“あの頃の記憶”を香りで追体験
紅茶を浸したマドレーヌを口にしたとたん、鮮やかに幼少期の記憶が蘇るという描写は、マルセル・プルースト著『失われた時を求めて』に登場する有名なシーンだ。ふとした瞬間に漂う香りは、時空を超えて記憶を呼び覚ます不思議な力を持っている。
そんな香りの可能性に着目し、消費材化学メーカー「花王」は、感性を刺激する体験型イベント「香屋-KAORIYA-」を開催。2025年3月15日(土)から23日(日)まで、UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)にて、記憶と香りが織りなす特別な空間が展開される。
記憶の引き出しが開くとき
3つの部屋が誘う、香りの世界
花王の感覚科学研究所が再現する“記憶の香り”を展示するイベント「香屋-KAORIYA-」は、「記憶を引き出す部屋」「記憶に没入する部屋」そして「調香師の部屋」という、それぞれ異なるテーマを持った3つの部屋で構成される。
最初の部屋「記憶を引き出す部屋」には、懐かしい香りを閉じ込めた無数の引き出しが並び、来場者は自由に引き出しを開けることで、そこに漂う「あの頃」の記憶を呼び覚ます香りを体験できる。たとえば、「夏の終わりの、少し寂しげな街角の香り」や「テスト前に焦燥感に駆られた、古文の教科書の香り」など、誰もが経験したことがあるような、ノスタルジックな香りが用意されているという。
続く「記憶に没入する部屋」では、壁一面に書かれた「誰かの思い出」のストーリーと、それに合わせた香りの演出によって、より深く記憶の世界へと誘われる。小説を読み進めるように香りを楽しみながら、まるで「誰かの思い出」を追体験できるような感覚を味わえる空間だそう。
香りの技術革新を体感
「調香師の部屋」で未来を垣間見る
最後の「調香師の部屋」では、花王の感覚科学研究所が誇る最新技術に触れることができる。目に見えない香りを可視化する技術「セントアイ®」、人が感じた香り体験を表現する技術「セントイメージアート™」、そして香りがもっとも美しく香る瞬間を再現する技術「エアロセント®」。これらの最先端技術は、香りという目に見えない世界を、より深く理解し、コントロールすることを可能にするそうだ。
花王はこれまで、消費者の嗜好に合う香りの開発だけでなく、「感覚が喜ぶ香り」「心を揺り動かす香り」を追求し、商品開発を行ってきた。香りの力で生活者の心を豊かにしたいという花王の想いは、今回のイベントにも色濃く反映されていると言えるだろう。
〜・〜〜・〜〜・〜
近年、企業と消費者をつなぐ手法として、視覚や聴覚だけでなく、嗅覚を含む五感を刺激する「五感マーケティング」が注目を集めている。
花王は「香屋-KAORIYA-」を通して、単なる商品紹介の枠を超え、香りを通じて消費者の記憶や感情に直接的に訴えかける、新しいブランド体験を創造しようとしているのかもしれない。この時代、イミと等しくあらためて“体験”にも注視していく必要がありそうだ。
『香屋-KAORIYA-』
【開催期間】2025年3月15日(土)〜3月23日(日)
【時間】11:00〜19:00(最終日のみ11:00〜17:00)
【会場】UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿) 東京都渋谷区神宮前6-5-3
【入場料】無料
【公式Instagram】kaoriya_official