織田信長の“ザクザク音”を再現した、史上最も斬新な「ブラックサンダー」
歴史上の人物に思いを馳せる時、その人物がどんな声をしていたのか、どんな仕草をしていたのか、想像が膨らむことはないだろうか? そんな好奇心を刺激するような、ユニークな試みが実現した。
国民的チョコレート菓子「ブラックサンダー」が、発売30周年を記念したこの企画。AI技術を用いて織田信長の「ザクザク音」を再現したという。
稀代の甘党・織田信長と
ブラックサンダーの意外な関係
「ブラックサンダー」といえば、その独特なザクザク食感が、多くのファンを魅了してきた。販売元「有楽製菓株式会社」によると、去る3月9日は「ザク」という語呂合わせにちなんで「ザクザクの日」とされている。今回の企画は、この「ザクザク」をキーワードに、歴史とテクノロジーを融合させた、遊び心溢れる試みとして誕生したもの。
しかし、なぜ数ある歴史上の人物の中から、織田信長が選ばれたのだろうか?
じつは信長、歴史マニアの間では有名な甘党だったという。なんでも、干し柿を好んで食べていたという記録や、宣教師ルイス・フロイスから献上された金平糖や有平糖、バナナに目を輝かせていたというエピソードが残っているんだとか。
そこで、現代の最新技術であるAIを用いて、もしも信長がブラックサンダーを食べたとしたら、どんな「ザクザク音」を奏でるのか?という大胆な試みが始まった……。
100人分の“ザクザク音”を学習
AIが生み出す「音」の可能性
今企画の核となったのが、100人分の「ザクザク音」と顔画像データを学習した、オリジナルAI「ブラックサンダーザクザクAI」。信長の肖像画などを参考に、その骨格や顔の特徴をAIが分析。収集した膨大なデータと照らし合わせることで、信長特有の「ザクザク音」を再現することに成功したという。
完成した音声は、YouTubeの公式アカウント『ブラックサンダーさん/有楽製菓株式会社公式』にて、ショート動画として公開されている。
天下統一を目指した稀代の名将は、はたしてどんなザクザク音を奏でるというのか(笑)必聴だ!

骨格と音の関係は?
歯科医師が分析する「信長のザクザク音」
ところで、今回の企画について、医療法人 なかの歯科・矯正歯科クリニック 歯科院長で歯科医師の中野浩輔氏は、骨格と咀嚼音の関係について、以下のようにコメントしている。やや長文だが、専門家の観点から、ザクザク音の再現度について語られていて実に興味深い。
「骨格と咀嚼音の関係について、鼻の穴の入口からのどの上端までの空気の通路となる鼻腔や、鼻腔の周囲にある空洞である副鼻腔(上顎洞)、口の中のスペースの大きさなどの要因によって音の高低や響きが変わります。織田信長は、顎がシュッとしていることから口の中のスペースは小さいと予想される一方で、鼻が高いことから鼻腔も大きく、頬骨が張っていることから副鼻腔が大きいことが想像されます。そのため、織田信長のザクザク音は、比較的高く響きやすい音だと予想され、今回生成された音声は織田信長の骨格から予測される音声になっていると思います」。
現代では、お菓子を食べる体験も、AI技術や医学的知見と結びつき、新たな広がりを見せている……のか(笑)
いずれにしても、今回の「ブラックサンダー」の試みは、私たちに歴史×お菓子×テクノロジーという、新たな融合の可能性を示唆しているのかもしれない。とか、まとめてみる。