史上最も危険なフリーフォール。そのとき人間は……

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

成層圏からの大ジャンプに成功した日

「レッドブル・ストラトス(Red Bull Stratos)」って聞いたことありますか?

2012年10月14日(日本時間15日)レッドブル・アスリートのベースジャンパー、オーストリア人フェリックス・バウムガートナーは、ニューメキシコ州ロズウェルで成層圏からのフリーフォールを成功させたのです。

スペーススーツの着用と重力による落下だけ。人類が成層圏からスカイダイブし音速を突破したこの快挙は、ライブ配信され世界がその快挙を見届けました。

上空:3万9014メートルはもちろん、最高高度。
最高時速:1342.8キロ(マッハ1.2)
フリーフォールにおける最長垂直落下:3万6529メートル
最高高度の有人気球飛行:3万9044メートル

フェリックスとチームこれら4つの世界新記録を樹立。人類の歴史にまたひとつ新たな一歩が刻まれることになりました。

ちなみに偉業達成から遡ること66年前(1947年)の10月14日は、米軍による実験用ジェット機の飛行訓練で、人類が初めて音速の壁を越えた日でもあるんですよね。

ところで、命がけのプロジェクトは単なるエクストリームな“見せもの”だったわけではありません。

超音速への加速や減速において人体にどのような影響が出るかを調査するため、フリーフォール中のフェリックスの心拍数、心電図、体温などを事細かに記録し、スペーススーツ開発に役立てたり、高高度での活動における情報収集を兼ねたミッションだったとか。

音速で落下する人体にいったい何が起きるのか?身を持ってそれを証明してみせたフェリックス。じつはこのお方、ドーバー海峡をウイングスーツで渡ったり、コルコバードのキリスト像(ブラジル)から最短落差のジャンプを決めたり、数々のベースジャンプ世界記録保持者でして。

「2番目では意味がない。世界一を最初に制覇してこそ意味がある」が信念だそうですよ。

© ameameging20121015 / YouTube
Reference: Red Bull Stratos
Top image: © iStock.com/studio023
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