元ハッカーが設立した「大衆のための情報機関」

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

ウィキリークスが発足

2010年4月、アフガニスタンで軍事作戦(07年当時)を展開していたアメリカ軍のヘリコプターが、路上の民間人を銃撃する様子を捉えた映像が公開され、アメリカ政府と世界に衝撃を与えました。

ほどなく、アフガニスタン戦争の米軍機密文書約9万点が、同年10月にはイラク戦争の機密文書約40万点が公開。この前代未聞の情報漏洩、それらすべてが誰でもかんたんにアクセスできるサイト上で閲覧可能になったのです。

そう、「ウィキリークス(WikiLeaks)」。

政府、企業、団体などの機密情報を匿名で公開する内部告発サイトは、2006年の今日、オーストラリア人の元ハッカー、ジュリアン・ポール・アサンジが中心となり設立されました。

現在、サイトには反体制団体や匿名の情報源から届けられた1200万を超えるドキュメントがストックされているそうですが、内部告発者の安全を100%保証するシステムを確立しているというのが驚きですよね。

世界中の政府や企業を敵に回し、ネットを舞台に情報戦争を繰り広げるウイキリークス。その目的を彼らはこんな言葉で表現しています。

私たちは、政府を誠実に保つのは一国の人々だけでなく、その政府を監視している他国の人々でもあると考えています。だからこそ、国民が見るべきドキュメントを発信するための匿名のグローバルな手段が必要なのです。

政府や企業の活動における透明性は、たしかに公平でより良い民主主義につながる。一方で国家の安全保障を脅かし人命を危険にさらしたり、偏った見方をしている可能性もあるとの指摘も。

機密保持か表現の自由か。いずれにしても、ウィキリークスの誕生によって国際社会は、より強い監視のもとにおかれていると言わざるを得ないのかもしれませんね。

Top image: © rafapress/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。