シカゴの文具店に行列、SNS発の「アナログ回帰」ブームで売り切れ続出

シカゴの文具店が今、かつてないほどの賑わいを見せている。ステッカーや万年筆、手帳を求める客で溢れかえり、入場制限を行う店舗もあるほどだ。

このブームの背景には、SNSやインフルエンサーが発信するアナログ回帰のトレンドがあるという。

デジタル疲れからの脱却、手触りのある体験を求めて

シカゴのアンダーソンビルにある文具店「Paper & Pencil」では、開店直後から客足が絶えず、週末や休日には整理券制を導入するほどの盛況ぶりだという。

2023年にオープンした同店は、2025年の売上が前年比150%増を記録した。オーナーのTyler McCall氏は、デジタルデバイスに囲まれた生活を送る現代人が、物理的な手段を通じて自分自身とつながることを求めていると分析している。

また、1939年創業の老舗「Atlas Stationers」でも、2025年の売上が前年比45%増となり、これを受けて初めて週7日営業を開始した。

共同オーナーのBrendan Schmidt氏は、コロナ禍を経て、デジタル優位の世界において実体のある体験を求める人々が増えていると指摘する。手書きで思考を整理することが、失われた芸術のように再評価されているようだ。

SNSで広がる手帳文化と完売必至のフェス

このブームを牽引しているのは、SNS上で形成されたコミュニティだ。

特に日本の手帳ブランド「ほぼ日手帳」はInstagramやTikTokで数十万件の投稿があり、ユーザー同士がカスタマイズ方法を共有することで人気が加速している。Paper & Pencilでは、2026年版の手帳発売日に長蛇の列ができ、最長4時間待ちになったという。

さらに、Paper & Pencilが主催する「Chicago Stationery Fest」のチケット1,700枚はわずか45分で完売した。世界中の文具ブランドが集結するこのイベントは、普段は手に取れない商品を見ることができる貴重な機会として注目を集めている。

クリエイターもアナログへシフト

コンテンツクリエイターの間でも、手帳やジャーナルのセットアップを紹介する動画が人気を博している。クリエイターのShelby Zuba氏は、スクリーン疲れを感じる人々が増えており、自身の記録を次世代に残したいという思いからアナログな記録方法を選んでいると語る。

彼女の動画はSNSで高い反応を得ており、手帳を通じた自己表現がひとつのカルチャーとして定着しつつあるようだ。

Top image: © iStock.com / Olga Yastremska
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