クラランス、AI肌色診断「AI Shade Finder」を発表。スマホで最適ファンデーションを提案

フランスの化粧品ブランドClarinsは2026年2月20日、店舗向けの新しいビューティーテックサービス「AI Shade Finder」を発表した。AIを活用して肌色を分析し、最適なファンデーションを提案するシステムである。

1954年の創業以来、革新を重視してきた同ブランドにとって、新たな技術導入の一歩になる可能性がある。AIによるメイク提案エンジンを店頭サービスに組み込むのは今回が初めてだという。

この技術は、シリコンバレーのスタートアップIlluminateAIと共同で開発された。スマートフォンを使って肌の色味やアンダートーンを高精度で測定する技術を持つ企業として知られている。

光の科学を活用した肌分析技術

AI Shade Finderは、分光学(スペクトロスコピー)と呼ばれる光の科学を基盤としている。30年以上の研究成果を背景にした技術で、肌の色を科学的に解析する仕組みだと説明されている。

このシステムでは、スマートフォンを測定装置として利用する。画面の光を変化させながら短時間で複数の画像を撮影し、肌に反射する光を分析することで色の特徴を読み取る。

その結果、肌の色調やアンダートーン、全体のカラーバランスを60秒以内に特定できるとされる。

メイクアップアーティスト並みの精度

クラランスによれば、診断結果の一致率は熟練メイクアップアーティストとの比較で96%に達したという。店頭での色選びの精度を大きく高める可能性がある。

IlluminateAIの創業者兼CEOであるKonrad Jarausch氏は、この技術について「スマートフォンを肌色を読む科学機器に変えるようなものだ」と説明した。従来の店頭サービスでは難しかったレベルで、色素やアンダートーンを数値化できるのが特徴だという。

ファンデーションだけでなくメイク全体を提案

AI Shade Finderは、単なるファンデーション選びにとどまらない。スマートフォンによる分析結果をもとに、店舗のビューティーアドバイザーが顧客ごとに最適なメイクルーティンを提案する仕組みとなる。

ファンデーションの色だけでなく、口紅やその他のメイク製品も肌色との調和を考慮して選ぶことが可能になるようだ。

自然光で色が変わって見える問題や、手の甲で試した色が顔では合わないといった悩みの解消につながると期待されている。

店舗体験を重視したAIサービス

このサービスはクラランスの店舗やカウンターでのみ提供される予定である。直感的に使える店舗体験として設計されたという。

開発にはクラランスのイノベーションラボ、メイクアップアーティスト、ビューティーアドバイザーのほか、IlluminateAIの科学者や医師、世界各国の顧客が参加した。こうした共同開発のプロセスが、ブランドの特徴を反映しているようだ。

クラランスCEOは「AIとビューティーテックを活用し、メイク分野の成長を加速させたい」とコメントした。顧客と共に開発した革新である点を強調している。

フランスと英国の店舗で実施された試験導入では、購入率や平均購入額の向上が確認されたという。従来のメイク相談と比較して、顧客体験の質が高まったと評価された可能性がある。

現在このサービスは、フランス、英国、アイルランド、イタリア、スイス、メキシコ、UAEの7カ国、100以上の店舗に導入されている。新製品「Double Serum Foundation」の発売に合わせて展開されており、今春には対象地域がさらに拡大する見込みだ。

クラランスは今回の取り組みにより、科学と顧客体験を融合させたパーソナライズド美容の推進を目指しているのかもしれない。

Top image: © Groupe Clarins
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