ファッションの“見えない価値”を可視化へ:第三者認証「Re-Creation」本格始動
一般社団法人Re-Creationは、ファッション産業における環境配慮や人権対応、透明性の取り組みを第三者評価で可視化する認証制度「Re-Creation」を本格始動。
2026年2月16日には、東京・北青山でメディア向けローンチ会が開催され、制度の概要と今後の展望が発表された。
本制度は、製品単位での認証を通じて、サステナブルな取り組みを生活者にわかりやすく伝えることを目的としている。従来、企業ごとの発信に依存していた情報を、共通の評価基準で整理することで、消費者が比較・判断しやすい環境の整備を目指す。
会場にはアパレル企業や素材メーカー、小売、金融機関、行政関係者など多様なステークホルダーが集まり、サプライチェーン全体を横断した取り組みとしての可能性が議論された。
業界の課題は「わからなさ」、認証が橋渡しに
発表では、サステナブルファッションに対する生活者の意識調査も共有された。ファッションへの関心は高い一方で、「どの商品がサステナブルなのか分からない」という点が購買の障壁になっている現状が明らかになった。
この“わからなさ”は、企業側の取り組みが十分に伝わっていないことに起因しており、結果として価格やブランドイメージだけで選ばれる構造が続いている。Re-Creationは、この情報の非対称性を解消し、サステナブルであること自体が選択理由になる状態を目指す。
実際に、認証を取得した企業からは、製品の背景や取り組みを説明しやすくなったという声も上がっており、社内外の意識変化にもつながっているという。

若年層は「価格以上の価値」を重視
ローンチ会では、サステナビリティを学ぶ学生による意見も紹介された。
若年層は価格への感度が高い一方で、長く使えるかどうかや製品の背景にあるストーリー性を重視する傾向が見られた。
登壇した学生からは、洋服に込められたストーリーは価格を上回る価値を持つという認識や、企業の情報開示がすでに当たり前になっており、その内容や進捗まで見ているという指摘があった。
こうした視点は、従来の“安さ”や“トレンド性”だけではない購買基準の広がりを示しており、認証制度の意義とも重なる。単なる環境配慮ではなく、製品の背景全体を含めた価値が問われる時代へと移行していることがうかがえる。

日本発の国際認証を目指す次のフェーズへ
Re-Creationは今後、認証対象を原料・素材段階へと拡張しながら、制度の国際展開も視野に入れている。日本発の認証として各国への実装を進めることで、グローバルなサステナビリティ基準の一端を担うことを目指す。
また、コミュニケーション面では、企業から生活者へ一方的に伝えるのではなく、作り手の想いを生活者に届ける「S to C」の考え方を重視していく方針が示された。
今回の始動は、単なる認証制度の立ち上げにとどまらず、ファッション産業における価値の伝え方そのものを再設計する試みでもある。選択の基準が可視化されることで、消費行動がどのように変化していくのかが今後の焦点となる。







