避難所の混雑を「見える化」。「福岡工業大学」が可視化システムを開発
非常時、混雑した避難所は身も心も削られる。落ち着いて判断、行動するには、避難所の状況を把握することが何よりも重要だ。
それを可視化するシステムを「福岡工業大学」の石田研究室が開発した。
避難所の混雑状況をパソコンやスマートフォンでリアルタイムに可視化する「混雑状況可視化システム」を用いれば、避難所の人員収容状況がデジタル化され、災害対策本部での避難所管理や支援を円滑におこなうことが可能とのことだ。
©福岡工業大学
同システムは避難所に到着した被災者のスマートフォンを自動的にシステムにアクセスさせ、情報を入力してもらう仕組み。
避難所に入った被災者の端末に自動的にアクセス画面を送信(BLEビーコン)。端末やカメラをかざしてもらうことでシステムにアクセスする方法(NFCタグ、QRコード)を想定している。
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システムへのアクセスを半ば自動化することで、民間避難所などを活用した分散避難を実現した場合も、各地点からの情報収集をスマート化&解決することを目指すようだ。
一方で、感染予防へのケアも取りざたされる昨今、いざという場合に、各避難所がいっぱいだという理由でたらい回しにされることなく、空いている避難所を選べるのはありがたいことだろう。
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想定しているシステムでは、AR(拡張現実)技術を用いたナビ機能も実装し、災害時に自分がいる場所からもっとも近い避難所への経路について、現実の風景の写るディスプレイ上にマークポイントを表示して案内してくれるとのこと。
実際に必要な場になれば、情報の混乱を避けるのは重要になるだろう。
今回発表されたシステムにより、国や自治体、個人がそのときどきの情報をしっかり把握でき、「迅速な安全確保」と「感染リスクの低減」を両立することができると期待される。
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