運動後、ストレス時、夏の通勤にも。女性の“ほてりケア”を日常化する新プロダクト

米国のインティメート・ウェルネスブランド「plusOne®(プラスワン)」が、体のほてりや火照りに特化した新しいクーリングリリーフ(冷却緩和)製品を発表しました。注目すべきは、この製品が更年期のホットフラッシュだけでなく、運動後や妊娠中、ストレス時、真夏の通勤中まで——あらゆる場面での「体温上昇」を対象にしている点です。

「ほてり」を日常課題に再定義

ホットフラッシュと聞くと、多くの方が真っ先に「更年期」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、体が突然カーッと熱くなる経験は、更年期特有の症状として長く語られてきました。しかし冷静に考えてみると、体温が急に上がって不快になる場面は、年齢やライフステージを問わず存在します。激しい運動の直後、緊張する会議の最中、妊娠中のホルモン変動、あるいは単純に猛暑日の満員電車——。こうした「日常のほてり」は、多くの女性にとって身近な悩みでありながら、これまで専用のケア製品がほとんど存在しなかった領域でもあります。

plusOneの親会社であるBeacon Wellness Brands(ビーコン・ウェルネス・ブランズ)のCEO、Maria Warrington氏は今回の発表にあたり、「オーバーヒーティング(体の過熱)は更年期だけの問題ではありません。ワークアウト中、ストレスの多い会議中、妊娠中、夏の通勤中にも起こります」と語っています。さらに同氏は、「女性は、スティグマ(偏見)や複雑さ、高価格なしに、人生のあらゆるステージでリアルタイムに使える冷却ソリューションを受ける資格がある」とも述べました。

この発言からは、従来の更年期ケア製品にありがちだった「医療的・治療的」なトーンを意図的に脱し、もっとカジュアルで日常的なセルフケアとして冷却ケアを位置づけようとする明確な意志が読み取れます。

2製品で即効クールダウン

今回発表されたのは2つの製品です。

ひとつは「Cooling Hydration Mist(クーリング・ハイドレーション・ミスト)」。独自のCooling Hydration Complex(冷却保湿複合成分)に加え、肌の調子を整えるナイアシンアミドや、ストレス緩和で注目されるアダプトゲンハーブのアシュワガンダを配合した全身用ミストです。冷却・鎮静・保湿の3つの機能を1本に集約しており、顔からボディまで幅広く使えるとのこと。ほてりを感じた瞬間にシュッとひと吹きするだけで、即効性のあるクールダウンが期待できる設計になっています。

もうひとつは「Chill Cooling Roll-On(チル・クーリング・ロールオン)」。ペパーミント、スペアミント、メントール、ユーカリ、ラベンダーといった天然由来のエッセンシャルオイルをブレンドした濃縮タイプのロールオンです。手首や首筋など脈拍ポイント(体表近くを血管が通る部位)に塗布することで、素早い冷却感と気持ちの鎮静効果が得られるとされています。コンパクトなサイズ感で、ポーチやポケットに忍ばせて持ち歩けるのも大きな魅力でしょう。

いずれも9.99ドル(約1,500円前後)という手に取りやすい価格帯。ホルモン、パラベン、硫酸塩、人工香料を含まないクリーン処方で、肌への優しさにも配慮されています。

「見えないケア」の市場が広がる

近年、フェムテック(女性の健康課題をテクノロジーで解決する領域)やフェムケアへの関心が世界的に高まっています。生理、妊活、更年期といったテーマがオープンに語られるようになり、それに伴って関連製品の市場も急速に拡大してきました。しかし一方で、「更年期ケア」というラベルが付くことで手に取りづらさを感じる層が一定数いることも、見過ごせない現実ではないでしょうか。

plusOneのアプローチが興味深いのは、まさにこの心理的ハードルを巧みに回避している点です。「更年期のための製品」ではなく「体温が上がって困るすべての瞬間のための製品」と打ち出すことで、ターゲットを特定のライフステージに限定しない。結果として、20代の運動好きな女性も、30代の妊婦さんも、50代で更年期真っ只中の方も、同じ棚から同じ製品を自然に手に取れる状況が生まれます。

これは単なるマーケティング戦略にとどまらず、身体の不調や変化に対するスティグマを薄めていく社会的な意味合いも持っているように感じられます。「誰にでも起こること」として語られることで、特定の症状を抱える人が孤立しにくくなる——そんな効果も期待できるのではないでしょうか。

日本市場への示唆

現時点で同製品の日本展開は発表されていませんが、日本でも夏場の通勤時や運動後の火照り対策として冷却スプレーやクールシートは根強い人気があります。ただし、それらの多くは「暑さ対策」や「制汗」の文脈で語られるもの。ホットフラッシュや自律神経の乱れによる体温変動まで視野に入れた「冷却ウェルネス」という切り口は、日本市場においてもまだ開拓の余地がありそうです。

体の内側から突然こみ上げてくる熱さは、外気温とは無関係に、そして予告なくやってきます。そんな「見えづらい不快」に寄り添うプロダクトが、ポーチの中の当たり前になる日は、そう遠くないのかもしれません。

Top image: © iStock.com / nicoletaionescu
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