本当はもっと話したいはず。日本の女性を取り巻く、生理や更年期の話
「フェムテック」という言葉が飛び交い、生理をテーマにした広告やドラマを目にする機会も増えた。女性の健康課題への意識は、確実に高まっているように思える。
「生理」「更年期」「妊活」の3つのテーマに着目したある調査結果をもとに、変化する生理との向き合い方や、私たちが手に入れられる選択肢について考えてみよう。
知識はあるけど……
行動に移せている人はどれくらい?
「株式会社エムティーアイ」が運営する、女性のライフステージに寄り添うヘルスケアサービス「ルナルナ」が10~40代の女性1000人を対象に行った「FEMCATION白書」第3弾によると、7割以上の女性が以前と比較して生理について学ぶ機会が増加したと回答。
同白書によれば、生理について「知る・学ぶ機会が増えたと感じる」と回答した人のうち、情報源としてもっとも利用されているのはSNSだった。InstagramやXなどを開けば、生理痛を和らげる方法やおすすめのセルフケアアイテム、婦人科選びのポイントなど、さまざまな情報が溢れている。実際に、生理に関する学習経験者のうち74.6%が何らかのセルフケアを行ったと回答していることからも、情報収集から行動に移す人が増えていることがうかがえる。
手軽に情報収集ができるようになったいっぽう、課題として浮かび上がってくるのは「情報過多」による混乱だ。自分に合った情報を見極め、適切な行動をとるためには、正しい知識と情報を選択するリテラシーがこれまで以上に求められていると言えるだろう。
婦人科はハードルが高い?
生理痛は我慢しなくてもいい
また、世間的にセルフケアへの意識が高まるなかで、依然として高いハードルとして立ちはだかるのが「婦人科受診」のようだ。同白書では、生理の症状で生活に影響が出た人のうち、「医師に相談する」と回答した人はわずか約2割にとどまっている。その理由としてもっとも多かったのは「婦人科に相談するほど、症状が深刻ではないと考えているため」というものだった。
「生理痛は我慢するもの」「婦人科は妊娠・出産のためにいく場所」という固定観念は、まだまだ根強く残っているのかもしれない。しかし、我慢せずに適切な治療を受けることで、QOL(生活の質)が大きく向上するケースもある。まずは自分の身体と向き合い、本当に我慢する必要があるのか、専門家の意見を聞くことが重要だろう。
他人事から自分事へ
想像力と行動力が未来を拓く
同白書では、更年期や妊活についても調査が行われている。更年期に関する知識不足や、妊活における婦人科受診への抵抗感など、多くの女性がライフステージのさまざまな場面で、悩みや不安を抱えている実態が明らかになった。
しかし、明るい兆しもある。オンライン診療や相談サービスなど、テクノロジーを活用した新たな選択肢も生まれつつあるということ。一人で抱え込まず周りの人に相談したり、専門家の力を借りながら自分らしい選択ができることが望ましいのは言わずもがな。
生理との向き合い方は、時代とともに変化している。「我慢する」ことが当たり前だった時代から、テクノロジーやさまざまなサービスを活用して、自分らしく心地よく過ごせる時代へ。あなたにとっての「Better Period(より良い生理期間)」を形成してみては?
👀GenZ's Eye👀
女性特有の身体の悩みに対するサポート体制をつくるのももちろん大事ですが、助けを求めやすい社会をつくっていくことも、それ以上に大切な気がします。でも、女性だけでその環境をつくることはで不可能。だからこそ「女性の話」ではなく、「みんなの話」として受け止めめるべき調査結果ではないでしょうか。