ビールを飲むことが、ローカル線を残す力になる。北海道・花咲線の新しい応援
北海道・厚岸で生まれたクラフトビールブランド「ユイトリエール」が、JR北海道の花咲線を支援する「花咲線プロジェクト」を始動しました。
花咲線の四季をビールで表現し、売上の一部を路線の支援活動に寄付するという取り組みです。驚くのは、このブランドの運営母体が建設業を営むマル勢影本工業株式会社だということ。
一杯のビールが「乗車券」になる
遠くからでも届く応援の回路
花咲線は、釧路から根室までを結ぶ北海道のローカル線です。車窓には湿原や海岸線が広がり、鉄道ファンにも旅好きにも愛されてきました。
けれど、日本各地のローカル線と同じように、利用者の減少という現実と向き合っています。
「乗って応援しよう」という声はよく聞きます。でも、北海道の東端まで気軽に足を運べる人は、そう多くありません。
このプロジェクトが面白いのは、「ビールを買う」という日常の選択が、遠く離れた路線の未来につながる回路を設計したところです。一杯選ぶことが、小さな一票になる。消費の意味が静かに変わる瞬間です。
道路をつくる会社が
湿原の風景を一杯に閉じ込めた
ユイトリエールは2024年に誕生した、まだ若いブランドです。フランス語で「牡蠣の養殖場」を意味する名前には、牡蠣の名産地・厚岸への愛着がにじんでいます。
母体は建設業の会社。道路や建物をつくってきた人たちが、今度は「地域の風景を一杯のビールに閉じ込める」という詩的な挑戦に踏み出しました。
第一弾の「厚岸エメラルド」は、花咲線の車窓から見える夏の湿原をイメージしたサマー・ホッピーラガー。ライムやメロンを思わせる爽やかな香りが特徴だそうです。
「朝9:25、別寒辺牛湿原。湿原を渡る翠を、一杯に。」というコピーが添えられています。時刻まで指定するこの精度が、ただの「ご当地ビール」とは違う意志を感じさせます。
一度きりで終わらせない
四季が巡るたびに届くしくみ
このプロジェクトが一度きりの寄付キャンペーンで終わらないのは、「花咲線の四季をコレクションで表現する」という構想があるからです。
季節が巡るたびに新しいビールが生まれ、そのたびに花咲線のことを思い出す。買う人が増えれば支援も続く。関心が一過性で消えない仕組みが、最初から織り込まれています。
ローカル線の存続問題は、どこか遠い話のように感じがちです。でも、冷蔵庫から一本取り出すとき、その先に湿原を走る列車の姿が浮かぶとしたら。消費と風景が静かにつながる、そんな回路がもう動き始めています。

AKKESHI EMERALD(厚岸エメラルド)/HANASAKI LINE N°1
【スタイル】Summer Hoppy Lager/ABV 5.0%
【容量・価格】350ml/850円(税込)
【発売日】2026年8月1日
【販売店舗】ユイトリエール直営店(北海道厚岸町)、ユイトリエール公式オンラインストア、JR北海道フレッシュキヨスク(北海道四季彩館釧路店、北海道四季マルシェ札幌ステラプレイス店、北海道四季マルシェココノススキノ店)、イオン北海道(厚岸店・釧路店・釧路昭和店・札幌平岡店 ※札幌平岡店は8月7日〜)、道の駅 厚岸グルメパーク 味覚ターミナル・コンキリエ
【プロジェクト詳細】花咲線プロジェクト公式ページ






