「とりあえずビール」って言うけど、実は色々あるんです。今さら聞けない3つのコト

セミの声を聞きながら公園で、夜風に吹かれながらビアガーデンで、さっぱりしたお風呂上がりに1杯と、ビールの美味しい季節真っ盛り。でも、十把ひとからげに「ビール」と呼ぶにはもったいない奥深い世界が、実はグラスのなかに隠されているのです。

リース恵実さんの著書『ビール語辞典』(誠文堂新光社)から、色々なビールについて教えてもらいました。

01.
ビールの個性を決める
2つの発酵方法って?

【エール】
発酵中に酵母が上面に浮かんで層をつくる「上面発酵酵母」により醸造されたビールのこと。モルトの甘味とフルーティな風味が特徴。またエールは、アルコール度数の強いビールをつくることも可能です。

【ラガー】
発酵すると酵母が沈む醸造方法のことを「下面発酵」と呼び、下面発酵でつくったビールのことを「ラガー」と呼びます。中世のバイエルンで、冷たい貯蔵庫でもビールが発酵し続けていることを発見したことがきっかけで誕生。エールよりも口当たりが軽く、のどごしがいいのが特徴的です。

02.
「地域や場所」がはぐくんだ
ビールたち

【ドイツ:アルトビール】
ドイツ発祥の伝統的なエールビールのスタイル。“alt”はドイツ語で「古い」という意味で、熟成期間が長いことと、ラガーにくらべて歴史が古いことに由来するとされています。しっかりした滑らかな泡にホップのアロマが香る、ミディアムボディのエールは後味もスッキリ。

【イギリス:インディアペールエール】
略して「IPA(アイピーエー)」と呼ばれます。イギリス帝国時代に輸出用に開発されたビールスタイル。長い船旅に耐えるため、ホップ量やアルコール度数を通常より増すことで殺菌作用を高め、独特の苦味と優れた風味を加えたもの。

【オーストリア:ヴィエンナ】
ウィーンのモルトを使った、オーストリアのラガービール。ビスケットのような香ばしさと赤みがかった色を持ちます。歴史的に関係の深いメキシコにも伝わるスタイルです。

【アメリカ:クリームエール】
アメリカ流のライトなラガーのスタイルに基づいてつくられるエール。色は明るめで口当たりも軽く、アルコール度数は通常4〜5%程度。

03.
「制度や伝統」が支える
ビールもあるんです

【リアルエール】
イギリスの伝統的なつくり方に基づいて醸造されるエールビールで、通常のエールは発酵後熟成用の大きなタンクに移されますが、「リアルエール」の場合はカスク(木樽)に移して、ひとつずつコンディショニングされるんです。

【トラピストビール】
ベルギーを中心に11ヶ所のみ存在する、トラピスト会の修道院でつくられるビールのこと。発酵後の濾過や低温殺菌を行わないので、酵母やビタミン、ミネラルなど栄養素も、さらに旨味も豊富。

今回紹介したのは、ほんの一例。たとえばビール大国のドイツでは「ビールは醸造所の煙突の影が落ちる範囲で飲め」ということわざがあるほど、地域に根付いた色々なビールが存在しています。

気になる人は、グラス片手に『ビール語辞典』をツマミにして、奥深いビールの世界について調べてみませんか?

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