言えない本音をAIが通訳。「通訳ゴリラ」
パートナーに不満を伝えたい。でも、自分の口から言ったらケンカになる。上司に本音をぶつけたい。でも、角が立つ。そんな経験、きっと誰にでもあるはずです。
このジレンマに対して、ちょっと意外な回答を出したAIサービスが話題になっています。その名も「通訳ゴリラ」。2026年9月6日にiOS・Androidアプリがリリースされました。

「誰が言うか」を変えるだけで、
届き方が変わる

AIに文章を書いてもらうサービスは、もう珍しくありません。メールの下書き、SNSの投稿文、ビジネス文書。どれも共通しているのは、出力された文章の「差出人」はあくまで自分だということです。
つまり、AIは代筆者。きれいに整えてくれるけれど、届いた言葉は本人が言ったものとして受け取られます。
通訳ゴリラが面白いのは、ここを根本からひっくり返した点です。ユーザーが心の中のモヤモヤや怒り、うまく言葉にならない気持ちを書き出すと、AIがそれを整理して一通の手紙にしてくれます。
ただし、その手紙の差出人は自分ではなく「ゴリラ」。どちらの味方でもない第三者として、相手が受け止めやすい言葉を選びながら気持ちを届けてくれるのです。
深刻にしないための、
ゴリラという「脱力装置」

「なぜゴリラなのか」と思った方も多いでしょう。でも、この脱力感こそが設計の核心ではないでしょうか。
相手に本音を伝える場面を想像してみてください。カウンセラーや専門家が間に入ると、途端に話が深刻になります。「そこまで大げさにしたいわけじゃない」と引いてしまう人も少なくないはずです。
通訳ゴリラの開発元であるtotteは、「人に相談するほどのことではない気がする」「こんなことを思っていると知られたくない」という、誰かに話す前段階の気持ちを気軽に置ける場所を作りたかったと説明しています。
聞き手がゴリラだからこそ、深刻な顔をしなくていい。きれいにまとめなくていい。この絶妙な距離感が、2026年7月中旬のWeb版公開からわずか2か月弱で累計2万通超の手紙が生まれた理由のひとつかもしれません。
「何を言うか」より
「誰の名前で届くか」
私たちは日常のコミュニケーションで、言葉の中身だけでなく「誰が言ったか」に大きく左右されています。同じ内容でも、本人から直接言われると身構えるのに、第三者を通すと素直に聞ける。そんな経験は珍しくないでしょう。
通訳ゴリラは、AIの使い方として新しい問いを投げかけているように思えます。文章を上手に書くことではなく、届け方の構造そのものを変えること。
言いたいことがあるのに飲み込んでしまう夜、試しにゴリラに話してみる。そんな選択肢があるだけで、少しだけ気持ちが軽くなるのかもしれません。
通訳ゴリラ
【料金】基本無料(有料プラン「ゴリラメイト」月額500円)
【対応】iOS / Android / Web
【公式サイト】通訳ゴリラ Web版
【ダウンロード】App Store / Google Play






