『知らない国が "イケメン" を通して好きになる。』世界イケメンハンター -窪咲子

saki   窪咲子  Sakiko Kubo

元雑誌編集者。初心者バックパッカーながら、女ひとり、世界一周の旅へ出発。ライターの仕事をしながら、1年8か月、50カ国を巡り、旅中に地球の歩き方HPにて世界各国で出会ったイケメンを紹介する『世界イケメンハンター』を執筆。個人のブログ『世界一周☆恋する咲ログ』では、旅人ブログランキングで常に上位を維持する人気ブロガーでもある。雑貨やオシャレも大好きで、ブログ上でも各国のアイテムを頻繁に紹介している。2013年11月女の子目線の旅先選びガイド『「世界イケメンハンター」窪咲子のGIRL’S TRAVEL』(ダイヤモンド社)発売予定。

【ブログ】 『恋する咲ログ』「地球の歩き方」内サイト『世界イケメンハンター

001.「やりたい」ことは実現させる

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“イケメンハンター”として世界一周をすることにしたきっかけは何ですか?

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子供のころ、家族旅行で訪れたオーストラリアやハワイ、卒業旅行でヨーロッパへ行った経験から、ずっと海外へ関心がありました。当然だけど、外国では、生活スタイルや考え方など、あらゆることが日本と全く違う。もっといろんな世界も見たいというのが、旅に興味を持ったきっかけです。

私は昔から、「やりたい!」と思ったら、突っ走るタイプ。雑誌の編集者になりたいと思ったのは中学校のとき。思い立ってすぐに編集部に連絡しました。「どうしたら編集者になれますか?」って(笑) それで運よく、編集部にお邪魔させてもらい、編集者になるためのアドバイスをもらって。その後、18歳になると同時に憧れの雑誌の編集部で、アルバイトとして働きました。その時の情熱はハンパなかったと思います。その想いが通じたのか、憧れの雑誌編集部で念願の編集者になることができました。だけど、実際に働いてみると、週七日の勤務ペースの激務で、終電を逃すこともしばしば。とてもやり甲斐があって大好きなお仕事だったけど、このまま働いていたら海外へも行けないし、自分の時間を持つことができず、一生仕事だけして終わってしまう。だからフリーランスに転向することに決め、世界一周の旅へ出発しました。

イケメンをテーマにしたのは、働いていた雑誌編集部でイケメン担当だったことが縁です。世界一周はしたかったけれど、無職になるのは困りますよね。だから自分でいろんな企画を考えて企画書を持って30社近く営業に行きました。それで決まった仕事のひとつが『地球の歩き方』のWEBサイト内の「世界イケメンハンター」をいう企画。いつのまにか「イケメンハンター」と名付けられていて、驚きました(笑)

002.「女性」としてが旅を実現させる

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女性が一人で旅をするということに不安はなかったのですか?

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もう日本に二度と帰れないのではないか、と最初は不安でしたね。母は「楽しそう!」と喜んで送り出してくれたけれど、父には、絶対反対されると思って、こっそり計画を進めていました。航空券をとって、仕事も決めて、出発の一週間前にやっと父に世界一周のことを話しました。父親は唖然としていたけれど、「お前がそこまで強い気持ちを持って決めたのなら」と最後は応援してくれました。最初は英語も苦手だったし、とにかく不安だらけでしたが、旅にでたら楽しくてその不安はいつのまにか消えていました。

003.知らない国がイケメンを通して大好きな国になる

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印象的だった国、エピソードを聞かせてください。

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まずネパール。最初は行く予定もなかったし、どんな国かも知らなかったんです。でも、インドで出会った旅人に勧められて、ネパール行きを決めました。ネパールにいく飛行機の中で、ネパール人の6歳の女の子と友達になり、遊んでいるうちに、女の子とはすっかり仲良しに。ご家族から招待を受け、突如ホームステイすることなりました。すごく素敵な人たちで、かわるがわる町に案内してくれて、私をもてなしてくれました。どこへ行っても人が優しいし、ネパールはホスピタリティにあふれていました。そのおかげでネパールが大好きになりましたね。

また、ブログをみて、連絡を下さった大学で日本語教師をしている女性のもとを訪ねて、コロンビアのメデジンに行ったこともありました。学生達はみんな日本に興味があって色んな質問をしてくれたのが嬉しかったですね。授業に参加して、スペイン語を教わりながら、日本語を教えました。生徒たちが街を案内してくれたり、一緒にサルサを踊ったり。楽しい思い出ばかりです。正直、それまでコロンビアって、危険なイメージを持っていたんですが、今では、住みたい場所ナンバーワンがコロンビアのメデジンです。

『世界イケメンハンター』では、苦労も多かったです。街中で、見ず知らずの人に声をかけて、英語やスペイン語でインタビューしなくてはいけないし。でも、イケメンに写真を撮らせてください、というと、不思議なことに本人よりも、一緒にいる恋人や友人が喜ぶんですよ。イケメンがみつからない時もありました。田舎の村とかは、イケメンというか、まず若い人がいない!(笑) 誰がイケメンか判断できない国もあって、そういうときは現地の女の子に声をかけて、現地人から見たイケメンを探してもらって、手伝ってもらいました。

そして、イケメンハンター企画の集大成として、最後に私が世界で一番かっこいいと思う男性、デビッド・ベッカムに会いに行ったんです。まだ、ロサンゼルス・ギャラクシーにいたときだったんですが、試合を見に行ったり、練習場に行って。でも練習スケジュールは非公開だから、ベッカムに会うためには、ひたすら待つしかありませんでした。警備員さんに尋ねても教えられないと言われるばかり。練習場に通うこと3日目、警備員さんが「君まだ待ってるのか」と私の熱意におどろき、「明日のこの時間にここにいればベッカムが来るよ」と教えてくれました。そのおかげでベッカムと一緒に写真をとることができ、「あきらめなければ夢は叶う」と実感しましたね。もう執念ですよね。(笑)

004.繋がる世界、どこへだっていける

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旅を通しての変化はありましたか?また現在の窪さんにつながっていることは何ですか?

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自分は平凡な、取り柄のない人間だと思っていたんです。でも、旅中に書いていたブログを通して、自分が文章を書くのが好きなことを再確認しました。それに、旅中に出会った人は、好きなことを仕事にしていたり、夢を持っていたり、とっても素敵な生き方をしていたんです。それで、私も自分のやりたいことを追い求めたいなと思うようになりました。そう信じて突き進むうちに、いつのまにか、自分の本を出したい、という昔からの夢が叶っていました。

あと、「世界中どこへでも行ける」という感覚を得られたことも大きな変化です。来年、ブラジルで開かれるワールドカップにも、行く予定です。旅で出会った友達もみんなそんな感じで、既に8人くらい集まっているんですよ。(笑)
仕事に関しては、旅で出会った人と仕事をする機会も多いですね。トークライブに出演したり、ライターの仕事をもらったり。旅の中での出会いが今の自分につながっています。

005.SNSから発信すること

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ブログで発信しながら世界一周をしていた窪さんですが、SNSを活用するメリットは何ですか?

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まず自分から発信することによって、それを見てくれる人から連絡がくること。たとえばアメリカのどこどこへ行きますよ、とブログ投稿すると、その地域のすてきなお店や観光地などのおすすめ情報を教えてくれる人たちがいるんです。その他にも、現地に住んでいる日本人の方がごはんに誘ってくれたり、向こうからアポイントメントをくれることも。出会いの幅が広がりました。
ブログを読んでくださって、コメントをもらえたことは旅のはげみでした。そういう方達に恩返ししていきたいという思いがあります。つぎはわたしが、これからの旅人にアドバイスしていきたいですね。
ブログは旅の記録としても、とても有効でした。ブログに書くことによって、自分の頭の中が整理されるし、それが記事として記録にも残る。身の回りで起きたことは、何年かしたらわすれてしまうかもしれませんが、ブログとして書いておくことで、読み返すことができますからオススメです。

006.一歩を踏みだすと、視える世界、違う視点

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旅における大切なことは何だと思いますか?特にこれから一人旅を考えている女性にアドバイスをお願いします。

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いろんな国へ行って、私と出会い接した人が、日本人にはじめて会う人だったとしたら、私の印象がそのまま「日本人の印象」になってしまう。なので、軽率な行動はとらないように心がけるようにしていました。幸い、「日本が好き」とか「日本に興味がある」と言ってくれる人が多くかったのがうれしかったです。

また、女性に「女ひとりで旅をして、本当に大丈夫でしょうか」という相談を受けます。私は、美人のルームメイトに下着を盗まれたりしたことはありますが(笑)、大きなトラブルには遭遇せず旅を終えることができました。夜出歩かない、知らない人についていかないなど、最低限のことを守っていれば、そうそう危険な目には合わないかと…。わたしのブログを通して、女の子でも一人旅できるんだ、ということを分かってもらいたいですね。きっと視野も可能性も広がるし、なによりきれいな景色を見たり、いろんな人と出会ったり、旅を通して成長することができると思います。

それに、「日本のパスポートは最強」だと言われているくらい、他の国と比べてVISAを取得しなくては入国できない国が少ないんです。働けばちゃんと収入を得られる環境と、日本の便利なパスポートを活用して、どんどん外の世界を見に行ってほしいですね。「やってみたい」と思うことはいっぱいあるけど、「自分には無理だ」と、そのままにしてしまうことは多いと思います。でも、やってみなくちゃわからないですもん!一歩踏み出して行動してみると、まったく違う世界が見える。その最初の一歩が大切です。自分自身、「旅」に出会ったことによって、人生が変わった一人だと思います。

窪咲子さんの新刊
「世界イケメンハンター」 窪咲子のGIRL’S TRAVEL』

TABI LABO インタビューワー <平野咲子> 早稲田大学政治経済学部1年生。いろんな話を聞いて、いろんなものをみるなかで、正解は一つではない、という感覚を養いたいと思っている。
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。