元ANAトップCAが実践、誰からも好かれる「第一印象の磨き方」
人を外見だけで判断するのはよくないといいますが、初対面においての判断基準は外見だけ。身だしなみが整っていないと、「そういう人」だと思われても仕方ありません。つまり、第一印象はやり直すことができないのです。
ここでは、拙著『誰からも好かれる女(ひと)の人と運を引き寄せる習慣』から誰からも好かれる第一印象の磨き方を紹介します。やり直せないからこそ、常にベストの自分でいましょう。
01.
話し方のロールモデルを立てる
しっかりきちんと伝わる話し方を身につけることは、接遇ばかりでなく、すべての仕事で大切なことです。低めの大きな声ではっきりと話すことを日頃から心がけましょう。
私は話し方のレッスンを受けたことはありませんが、話し方のロールモデルは何人かいます。たとえば、料理研究家の辰巳芳子さん。「いのちを支えるスープ」で有名な方です。静かにゆっくり、低めの声で話す方で、何事にも凛とした姿勢でいらっしゃるのが女性の大先輩として尊敬できます。
「ああいうふうにお話できたらいいな」と思う具体的なお手本があるとイメージが湧きやすく、日頃の話し方にもいい影響があるように思います。
また、同世代とばかりではなく、年上の方と話すように心がけるのも大切だと感じます。普段使わないような言葉を耳にする機会が増え、ボキャブラリーを増やすことができます。
気おくれせずに場慣れしていけば、確実に運を引き寄せることにつながりますよ。
02.
身だしなみは
常に一定以上のレベルをキープ
人がまず目にするのは、見かけです。服装がだらしなければルーズな人間に見えるでしょうし、髪型が乱れていたり、シワのついた服を着ていては、相手の方の失礼にあたります。
女性であれば、身だしなみに気をつけている人は少なくないでしょう。ただ、昨日は100点満点だったけど、今日は50点など、出来栄えに差がある人はプロフェッショナルとは言えません。
いつも一定以上のレベルをキープしていること。これが大事なのです。自分の隅々まで手をかけている人は隙がありませんし、きちんと努力もしています。そういう人はお客様に対するサービスも丁寧ですし、安心感があります。
そこをクリアしてこそプラスαの興味がわいてくるのではないでしょうか。チャンスの神様はいつ訪れるかわかりません。その機会を逃さないためにも、一定以上の身だしなみに気をつけるようにしましょう。
03.
おもてなしの場では
「無臭」が基本と心得る
第一印象をよくするには、見かけと話し方の他に、香りもポイントになります。身だしなみを整えるときには、視覚や聴覚だけでなく、嗅覚にも注意するようにしましょう。
CAの場合、接遇させていただくときは香水をつけません。においに対して敏感なお客様もいらっしゃいますし、まして上空の機内では、空酔いを誘発することもあります。香水だけでなく、ヘアケア製品や化粧品、柔軟剤や防虫剤のにおいも気になるものです。自分が爽やかな香りだと思っても、お客様がどうお感じになるかはわかりません。ビジネスの場では無臭を心がけましょう。
また、プラスの香りだけでなく、自分自身のにおいにも気をつけましょう。汗をかいたときのデオドラント対策には、特に気をつけたいですね。肌着やパッド類で汗じみをガードしましょう。汗を書いたと思えば洗面所に行って、シートで首筋などを頻繁にふくのも効果的です。
早め早めに注意していれば、衣類に汗のにおいやしみがつくことも避けられますし、きちんと対策しておけば、自信を持って接遇にのぞめます。自分のにおいもしっかり管理し、爽やかな身だしなみを演出しましょう。
04.
自分の立ち居振る舞いを
客観的にチェックする
お顔立ちやスタイルもありますが、姿勢や歩き方に気をつけるだけでも、印象がグッと変わってきます。
歩き方にはその人の生き方や心持ちが反映されます。たとえば、自信のない人は前かがみでちょこちょことした歩き方をしますし、前向きで明るい人は、顔を前にむけて姿勢よく颯爽と歩きます。
日本人は着物の時代が長かったからか、どうしてもひざを曲げて歩く人が多いようです。ひざの後ろを伸ばして、しっかり足を開いて歩くように意識するだけでも、かなり違ってきます。
正面をむいて歩いている姿はチェックしやすいのですが、歩き方が美しくないと気になるのは後ろ姿です。正面は歩き方より顔に目がいくものですが、うしろから見たときは動きのあるものに目がむくので、歩き方が思いのほか目立つのです。
まず一度、客観的に自分の歩き方をチェックしてみてください。鏡の中に映る歩き方や姿勢を直視して、少しでもきれいに見えるように努力を続けると、美しい立ち居振る舞いが身についていきます。
『誰からも好かれる女(ひと)の人と運を引き寄せる習慣』
コンテンツ提供元:里岡美津奈
人材育成コンサルタント。1986年全日本空輸株式会社(ANA)に入社。在職中、VIP特別機搭乗を務め、皇室、各国元首脳の接遇で高い評価を得る。2010年に退職。現在は人材育成コンサルタントとして、一般企業や病院でコミュニケーションスキルアップの指導にあたっている。