半年で11kg減を体験した現役医師。やっぱり、炭水化物ダイエットはスゴいらしい

医師の夏井睦さんは、2011年の暮れから翌年5月の半年にかけて、なんと11キロも痩せたそうです。きっかけはちょっとしたことで、インターネットで「糖質制限」の先駆者である江部康二氏(京都・高雄病院)の記事を読み、ものは試しと昼食のご飯を減らしてみたんだそう。今回は、書籍『炭水化物が人間を滅ぼす』より、夏井さんの体に起きたことをご紹介します。

 

わずか半年で11kg減
50代で学生時代の体型に

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最初は半分、その後は3分の2…次第にご飯の量を減らしていった。翌年1月初めからは、昼食のご飯をまったく食べなくなり、同時に夕食時に1杯だけ飲んでいた日本酒も、飲むのをやめて焼酎に切り替えた。すると、70キロあった体重が1月中旬には66キロに減っていた。2月初めには、きつくて着られなかったスーツも10年ぶりに楽に着られるようになった。さらに体重は減り…5月中旬には59キロに。なんと、医学部卒業当時の体型に逆戻りしたのである。

痩せるだけじゃない!
糖質制限の「内なる効果」

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変わったのは外見だけではなかった。体質・生活スタイルまで、すべてを好転してくれたのだ。たとえば…。

効果①
昼食後の居眠りをしなくなる

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糖質制限をするようになって、ふと気がついたのは「昼食後にうとうとしてこなくなった」こと。それまでは食後に眠るのは日課で、他の医師もみなそうだった。

けれど、昼食を食べなくなってからは、食後にまったく眠くならなくなった。頭がすっきりした状態がずっと続くため、眠る必要がないのだ。糖質制限を始めてから、昼食後の1時間の居眠りがなくなってしまった。つまり、日中の1時間が増えたというわけである。

効果②
飲酒量が増えても「二日酔い」しない

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また、朝から夕方までずっと仕事をし、その後午前0時前までお酒を飲み、翌朝5時に起きる。という生活スタイルを何日続けても、二日酔いの不快な消化器症状がなくなった。飲酒量は減らしてないのに、二日酔いだけが消失したのだ。

一般的に世間に流布している「ご飯やうどんは消化にいい」という常識は間違っている。泥酔して吐いている人の嘔吐物を観察してみて欲しい(もちろん、頼まれても見たくないものの1つがそれであるが)。中身は米粒、麺類、そして野菜だけであり、肉の姿はどこにもないはずだ。胃袋のなかの肉や魚はすみやかに姿を消すのに対し、いつまでも居座っているのはご飯と麺類、つまり糖質なのである。

効果③
高血圧が“自然に”治った

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じつは私は、40代半ばごろから、次第に血圧が上がり始め、50歳前後から150/100mm Hgという立派な(?)高血圧患者だった。そろそろ治療しないとマズイことになりそうなことも明らかだった。しかし、糖質制限開始から5カ月目に、何気なく血圧を測ってみたら、124/82mm Hgとまったく正常になっていた。同時に、中性脂肪やLDLコレステロールの値も正常化。

現在の医学の常識で言えば、血液中の中性脂肪を減らすには、脂肪と摂取カロリーを減らすのが常道なのに、私の食生活は、カロリー制限なし・脂肪摂取制限なしで、中性脂肪もLDLコレステロールも低下したわけだ。

脳が敏感に反応して
体が糖質を受け付けなくなる

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これらの効果を一度体験すると、いつの間にか主食を食べられなくなるだろう。脳が自然に拒否するようになるのだ。こうなると、もう糖質は「体にとって毒」のようなものという認識になる。

それと同時に、食べ物に入っている糖質に、敏感に反応するようになった。まるで舌か口腔粘膜に「糖質センサー」があるかのごとく、糖分が含まれている食品を口に入れたとたんに「糖質警報」が鳴るようなイメージだ。

糖質制限を本格的に開始して体重が数キロ落ち始めたころ、中華料理を食べに行ってびっくりしたのだが、最初から糖分が多いとわかっている料理(例:エビチリ)は避けたはずなのに、にんにくの芽を炒めた料理を口に入れたとたん、砂糖独特の鈍重な甘さがわかった。まさに「糖分警報発令!」である。同行した人間は、砂糖に気がつかなかったようなので、おそらく、隠し味程度の量と思われるが、体がここまで敏感に反応するとは思わなかった。

炭水化物が人間を滅ぼす
コンテンツ提供元:光文社新書

 

 

夏井睦/Makoto Natsui

東北大学医学部卒業。練馬光が丘病院「傷の治療センター」長。2001年、消毒とガーゼによる治療撲滅をかかげて、インターネットサイト「新しい創傷治療」を開設。湿潤療法の創設者として治療法の現場を変えるべく、発信を続けている。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。