短期間で確実に「糖質制限ダイエット」を成功させる、5つの意識改革

巷でよく聞くダイエット法・糖質制限だが、「続かない」「辞めたらリバウンドした」という人も、多いのではないか。しかしちょっと意識を変えるだけで、成功への道は開けるんだそう。その5つの秘訣を、夏井睦さんの著書『炭水化物が人間を滅ぼす』から紹介しよう。

01.
「主食」という概念を捨てる

shutterstock_301974959_2

日本人の食事は、基本的に「ご飯(主食)とおかず」。この間には、上下関係が厳然としてある。どんなにおかずが豪華であっても「ご飯が主、おかずは従」。だから主食という言葉が存在する訳だ。

ご飯とおかずの食べ方が日本に生まれたのは、平安時代であり、その成立には、米は神が授けてくれた「神聖な食べ物」という、米信仰ともいうべき意識が働いていたと考えられる。

糖質制限のすごいところは、この日本人の食の“原点”ともいうべき「主食」を完全否定している点にある。だから、実際にやってみると、たいしたことなく簡単に始められるのに、主食を食べないというだけで、心理的な軋轢や大きな葛藤を生むわけである。とりあえず、頭から「主食」という言葉を追い出すことが重要だ。

02.
糖質制限は
おサイフにも優しい!

shutterstock_221704318_2

お米も小麦製品も値段は決して高くない。つまり、お金をかけずに満腹感を得られるのが炭水化物だが、糖質制限はそれを食べない食事法。となると、必然的に減らした分をタンパク質と脂質で補わなければならない。これらは炭水化物より値段が高い。例えば、どんぶり飯の分のカロリーを豚肉や牛肉で補おうとすると、そこそこの値段になってしまうはずだ。

しかし、実際に糖質制限をしてみると、開始当初は食費がかさむものの、糖質制限に体が慣れてくると逆に食費が抑えられていることに気づく。というのも、豆腐など値段の安い大豆製品がご飯代わりになり、それほど「量」を食べなくても満足するようになるからだ。

糖質制限を実際に経験している人たちの間では「1日2食」にしている人が多いし、厳密に糖質摂取量をゼロにしている人には「1日1食」の人も珍しくない。空腹感がないため、それ以上食べる必要がないのだ。

03.
揚げ物は
どれだけ食べてもOK

shutterstock_183153605_2私の経験から言えば、糖質制限はあまりストイックに考えない方が長続きする。優等生タイプの人ほど、「この食品には糖質が何%含まれていのか?」と食品交換表を見ながら計算したりするが、糖尿病患者でないのなら、そこまで突き詰める必要はないと思う。それに、糖質制限が軌道に乗ってしまえば、その食品に糖質が入っているかどうかは、自然と体が教えてくれるようになる。私はこれを「糖質センサー」と呼んでいる。

例えば、魚肉ソーセージやチーズ、かまぼこにどれくらいデンプンが含まれているか疑問に思ったら、食品交換表を見るより、とりあえず食べてみるほうが手っ取り早い。「何となく糖質が多そうだな」と感じたら、間違いなく相当量のデンプンが含まれている。

同様の理由で、揚げ物の衣に含まれる糖質は、問題になるほどの量ではないことがわかる。さすがに衣が分厚い天ぷらやフライをたくさん食べると、糖質センサーが作動して、警告音が聞こえるが、フライドチキンや唐揚げ(これらはもともと衣が厚くない)では、私の場合、警告音は小さく聞こえるだけなので、とりあえず安全な食品として認知している。

04.
コンビニ・居酒屋は
糖質制限の強い味方

shutterstock_314319935_2とはいえ、自分では料理作れないし…。そんな人には「コンビニ」や「居酒屋」という強い味方がいる。実に理にかなった糖質制限を可能にしてくれるのだ。

例えば、お昼はコンビニで「おかずだけ」買う。最近は種類もかなり豊富で、豆腐サラダも売っていれば、レバニラ炒めもある。ガッツリ食べたいなら、唐揚げとんかつの合わせ技で食べたって良い。そして夜は、お気に入りの居酒屋にでも行って、「肉野菜炒め定食のご飯抜き」や「ホッケ焼き定食のご飯抜き」、「チゲ鍋」など注文して、ハイボールや焼酎のオンザロックを飲めば、ほぼ完璧な糖質制限となる。

05.
食品に含まれる糖分は
角砂糖に換算すればOK

shutterstock_300882923_2「コーラには、590mlで65グラムの糖分が含まれている」と言われると、ピンとこない人がほとんどであろう。けれど、これなら?「コーラには、590mlで約17個の角砂糖が含まれている」。

誰もが尋常ではない量だということがわかるはずだ。それぞれの食品に含まれる糖分を角砂糖(1個4グラム)に換算し、視覚化するのは糖質制限でかなり有効な方法。

同様に、炭水化物に含まれる糖分はどうだろう?6枚切りの食パン1枚には30グラム、白米飯1膳・素うどん1玉には55グラムの炭水化物が含まれている。それを角砂糖に換算すると…約8個、約14個となり、これもかなり強烈な量だ。炭水化物には糖分の他に食物繊維も含まれているが、とはいえ約10%程度。これらを差し引いても、かなりの量の糖質であることには間違いない。

「今食べようとしている食パン1枚は、角砂糖8個分だ」と考えたら、よほどの変わり者でないかぎり、食べる手を止めるはずだ。

炭水化物が人間を滅ぼす
コンテンツ提供元:光文社新書

 

夏井睦/Makoto Natsui

東北大学医学部卒業。練馬光が丘病院「傷の治療センター」長。2001年、消毒とガーゼによる治療撲滅をかかげて、インターネットサイト「新しい創傷治療」を開設。湿潤療法の創設者として治療法の現場を変えるべく、発信を続けている。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。