参加すると人生が変わる!? 550kmを走破する過酷なランイベント
サハラ砂漠の約250kmを6ステージ7日間にわたって走る「サハラマラソン」や野生動物の生息する危険なアマゾンのジャングルを舞台にした「ジャングルマラソン」など、世界には「どうしてこんな過酷なレースをするのだろう?」と考えずにはいられないほど過酷なランイベントが多数あるわけだが、ここ日本でも550kmもの距離を走るレースが存在する。それが「東海道五十七次ウルトラマラニック」だ。
選ばれし人には
ゴビマラソンへの出場権が!
本レースは、レース性を重視した「ラン部門」と旅人気分で楽しめる「ウォーク部門」に分かれ、東京日本橋から大阪高麗橋までのいわゆる「東海道」を5月から11月までの7カ月連続で、毎月1回約80km(1泊2日)ずつ走りながら踏破していく。そして完走者のなかから選ばれた人には、ゴビ砂漠250kmを駆け抜ける「ゴビデザートマラソン」への招待状が与えられるという。
「マラニック」とは「マラソン」と「ピクニック」を合わせた言葉だそうだが、素人目からは、どうしてわざわざこんな過酷なことをするのだろうか、と写ってしまう……。その魅力は一体何なのだろうか? 本大会の実行委員に話を伺った。
人生を凝縮したような
濃度の濃い時間を過ごせる
「かつて飛脚は、宿場でタスキをつなぎながら東海道を3〜4日で駆け抜けたといわれています。そのなかで発展していった宿場の文化や東海道の魅力、そしてかつてこの道を通ったであろう偉人たちに思いを馳せながら走れるのが本大会の魅力ですね。ちなみに今年はオリンピックイヤーということで、例年とは逆に大阪高麗橋から東京日本橋へ向かって走ります」
そう話すのは、実行委員の一人である杉村晋吾さん。じつはこの方、前述したサハラマラソンで日本人最高成績を収め続けているスゴい人!
でも、どうしてこんな命がけなことをするのだろうか?
「サハラマラソンもそうですが、こうした過酷なレースに参加すると、人生をグッと凝縮した時間があるというか、本当にいろいろなことを考えるんですね。今までの生き方を振り返ってみたり、将来について考察してみたり。だから、参加前と後だと生き方がまったく変わってきます」
夜には参加者たちが集う
楽しい時間が待っている
また、宿場で過ごす夜の時間も大切なのだとか。
「参加者は、はじめこそぎこちないのですが、宿場まで辿り着くとディナーが用意されていて、そこで料理を食べながらお酒を飲み交わしていくうちに段々と仲良くなっていくんです。そしてレースが終了する頃には仲間と呼べるような存在になっています。なかには生涯の友に出会う人も少なくありませんよ」
ちなみこの「東海道五十七次ウルトラマラニック」の実行委員のメンバーは、サハラマラソンで知り合った面々なのだという。同じ苦境を乗り越えることで、強い絆が生まれるのだろう。
今夏には、同区間を6日間で
駆け抜けるイベントも!
そして今夏には、本レースとは別に「東海道五十七次ウルトラマラニック『飛脚』」というイベントも開催される。
こちらは2〜4名のチームでタスキをつなぐチームの部と、たった一人で走り抜くソロの部のどちらかを選んで参加することができる。それぞれの優勝者には記念品と称号が送られる。
「これはオリンピックイヤーのみ開催するイベントで、『東海道五十七次ウルトラマラニック』と同じ距離を8月11日〜8月16日の6日間で走破します。東京オリンピック開催の年には、オリンピックの余韻にひたりながら東海道を駆け抜けてほしいですね」
ちなみにソロの部はすでに50名の応募があり、参加募集は閉め切っているそうだ。チームでなく、ソロの方が人気というのが意外だが、やはり一人の力でどこまでできるか試したいという人たちが多いのだろうか。
走ることが、生き方を変える
きっかけになるかも!?
ランニングを趣味にしている人のなかには、走ることで人生が変わったと感じる人も少なくないというが、その距離が550kmともなると、その感慨もまたひと塩かもしれない。興味が湧いた人は参加してみてはいかがだろう。
Licensed material used with permission by 東海道五十七次ウルトラマラニック実行委員会