江戸東京博物館の「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」は大人でも楽しめる!
「愛らしい妖怪」がたくさん登場するという同展覧会。なんとなく、妖怪というと“恐いもの”というイメージがありますが、その定義はさまざま。
妖怪は、日本人が古くから抱いてきた、異界への恐れ、不安感、また、“身近なもの”を慈しむ心が造形化されたものです。『百鬼夜行絵巻』などに描かれた妖怪たちの姿は、一見すると不気味ながら、実に愛らしさにあふれています。
大妖怪展より一部抜粋。
「土偶から妖怪ウォッチまで」というタイトルが話題ですが、カバーしている範囲の広さが現れていますね。日本美術の名品が数多く集められているため、見応えは十分だそう。葛飾北斎、歌川国芳、月岡芳年など、浮世絵界のスターアーティストの作品も揃い踏み。というかちょっと待って、土偶って妖怪なんですか!?
4000年の歴史
妖怪表現は土偶から
これは、縄文時代につくられたとされる土偶。頭の形や表情のつくりがちょっと変で、古代人が自然に対する畏れや無邪気な心情を造形化したものだそう。後の妖怪表現にも通ずるものが。
鬼や化け物が日本の絵画史に現れるのは、平安時代末期の12世紀。鎌倉時代にかけて、邪気を退治する神々の姿や、地獄の様相、鬼が描かれ、中世になると、いよいよ「妖怪」が出現。
気弱そうで同情を引く顔つきの妖怪や、古道具を妖怪化させて物の大切さを説いたものなど、親しみやすさが色濃いのが特徴です。その後には、コミカルな妖怪たちが京を闊歩する『百鬼夜行絵巻』も。
次第に、妖怪が主人公となる物語ができていき、図鑑がつくられ、各地で見られた珍幻獣がリストアップされるように。その見た目はまるで…
ゆるキャラ?
可愛げがありますよね。
しかし、そのほかもちろん恐いものも。幽霊画などが広まり、妖怪人気は急上昇!
このたび東京・大阪で初公開となる、金性寺に伝わる幽霊画はもちろん、葛飾北斎のお茶目な幽霊漫画のほか、有名絵師の妖怪画、仏教の伝来とともに流行した本格的に恐い妖怪表現もズラリ勢揃い。国宝『辟邪絵』、『六道絵』の迫力も見逃せません。
そして最後に行き着く最新の妖怪表現が『妖怪ウォッチ』。日常生活の異変を妖怪の仕業とし形象化したアニメは、まさに現代版の妖怪表現!とここまで紹介したものを見るとお分かりの通り、子どもから大人まで濃ゆ〜い展示が楽しめそう。
展示作品は約120件。作品の成り立ちなどに関する解説が読めます。7月23日(土)には、江戸東京博物館ホールで行われる展覧会貸切鑑賞の席も用意され、浪曲、落語、講談による、面白くて、とびきり怖い「怪談」と「大妖怪展」が楽しめるスペシャルチケットも販売…となりましたが、残念ながらもう完売してしまったそうです。注目度の高さがうかがえますね。詳細はコチラから確認してみて!
【開催概要】
■イベント名
『大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで』ーーー東京
■会期
2016年7月5日(火)~8月28日(日)■会場
東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1■料金
一般:1,350円(前売り:1,140円)
特別展・常設展共通券:1,560円大学・専門学校生:1,080円
特別展・常設展共通券:1,240円中学生(都外)・高校生・65歳以上:680円
特別展・常設展共通券:780円小学生・中学生(都内):680円
■開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(7月9日・16日・23日の土曜は午後7時30分まで、7月29日の金曜から、金曜と土曜は午後9時00分まで)
※入館は閉館の30分前まで■休館日
毎週月曜日
※ただし、7月18日、8月8日・15日は開館、7月19日は休館■お問合せ
江戸東京博物館
(電話 03-3626-9974[代表])ーーー大阪
■会期
2016年9月10日(土)~11月6日(日)■会場
あべのハルカス美術館
〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階■料金
一般:1,300円(前売り:1,100円)
大高生:900円(前売り:700円)
中小生:500円(前売り:300円)■開館時間
火~金/午前10時~午後8時
月・土・日・祝/午前10時~午後6時
※入館は閉館の30分前まで■休館日
9月12日(月)、10月11日(火)、10月17日(月)■お問合せ
あべのハルカス美術館
(電話 06-4399-9050)