世界的に有名なポップソングのほとんどを、1人の男が作曲している
テイラー・スウィフト、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、バックストリート・ボーイズ、ボン・ジョヴィ…。
誰もが一度はその楽曲を聞いたことのある有名アーティストですが、そのNO.1ヒット曲がすべてある一人の外部作曲家によって書かれていたことは、あまり知られていません。そして、その秘密は音楽輸出大国であるスウェーデンにあった!?
動画では、これまでにビルボードでNo.1の座に輝いているミュージシャンを、上から3人挙げています。
1位/ポール・マッカートニー(32回)
2位/ジョン・レノン(26回)
そして第3位は、マックス・マーティン(19回)。彼は、第57回グラミー賞で年間最優秀プロデューサーに選出された作曲家です。
マックス・マーティンって
一体何者?
手がけた楽曲にビックリ!
下記アーティストの楽曲。見覚えがありませんか?
テイラー・スウィフト『We Are Never Ever Getting Back Together』
ケイティ・ペリー『I Kissed gI Kissed A Girl』
ジャスティン・ビーバー『Beauty And A Beat』
クリスティーナ・アギレラ『Your Body』
アッシャー『DJ Got Us Fallin' In Love』
セリーヌ・ディオン『That's The Way It Is』
ボン・ジョヴィ『It's My Life』
バックストリート・ボーイズ『I Want It That Way』
イン・シンク『It's Gonna Be Me』
マルーン5『One More Night』
ブリトニー・スピアーズ『...Baby One More Time』
どれもMVを再生したり、メロディを聞けば、「ああこれね」と言えるものばかり。
しかも、アーティストはそれぞれ何度も彼に作曲を依頼しており、幾度となく全米No.1に輝いているのです。それによって彼が得た版権料は合計300億円に及ぶとも。
スウェーデンの秘密
ヒット曲を生み出す仕組み
マックス・マーティンはスウェーデンの作曲家。同国は音楽輸出大国と言われており、彼以外にも著名な作曲家が数多く存在しています。
リアーナ、コールドプレイ、レディー・ガガ、ニーヨ、イギー・アゼリア、ジェニファー・ロペス、エイコン、ニッキー・ミナージュ。
そうそうたるアーティスト達が、スウェーデンから楽曲を購入しています。しかし、同国の人口はたった900万人ほど。にも関わらず、アメリカ・イギリスに次ぐ版権料の稼ぎ手という実力。じつはこれ、「トラックアンドフック」という産業構造に秘密があったのだとか。
「トラックアンドフック」とは
一言でいうと、楽曲の制作をパート分けして自由に組み合わせられる構造。
従来の音楽制作では、メロディ・歌詞・構成・アレンジなどを一貫してつくるのが主流。しかし、トラックアンドフックではその作業を分担。
・トラックメイク(コード進行とリズムをつくる)
・フックライティング(キャッチーなメロディをつくる)
・編曲する(トラックとフックを自由に組み合わせる)
この3つの作業を複数の人数で行っているというわけ。その割合は、ビルボードランキングのトップ100のうち、およそ5割が4人以上の共同作曲からなっているほどだそう。そこにはレディー・ガガの『Poker Face』も。
これに関してビルボード誌は、2015年10月の記事で「一人で楽曲制作するなんて、時代錯誤だ」と書いています。実際同年10月24日のビルボードランキングトップ100のうち、個人の作曲家によってつくられた楽曲はたったの2曲。
この流れは2014年頃から顕著で、功績をシェアすることに対して謙虚で寛容なスウェーデンらしいカルチャーだとも。
ベースを作り、パターンを出して組み合わせる分担作業ーー。いかにも効率的なつくりかたと言えるかもしれませんね。