映画史上「最も長い上映時間」と聞いて、アナタは何時間なら耐えられるだろうか?
ある意味、これは「苦行」に等しい。
映画史のなかで最も上映時間が長い映画とされ、ギネス記録にもなっている作品が1987年に制作されたアメリカ映画『The Cure For Insomnia』。これが5,220分、じつに87時間にも及ぶもの。ところが、この記録があと3年ほどで塗り替えられようとしている。それも圧倒的に。
上映時間720時間!?
上映時間43,200分。時間にして720時間、日数に換算すれば丸30日。しかも、全編ノンストップだという。これを苦行と呼ばずして何と表現すればいい。
スウェーデン人アーティストのアンダース・ウェバーグ氏が制作したこの実験映画『Ambiancé』は、2020年12月31日公開予定らしい。後にも先にも、この長尺記録を打ち破る作品はまあ、現れないだろう。
ナント、特報だけでも7時間20分!
こちらは映画の特報。これだけでも、驚きの7時間20分。世界観を伝えるのに、一般的な映画の3本分近くある。これは、よほどの強者でないと手が出せないシロモノ。紹介しておいて失礼な話だが、正直に告白すれば、何度となく再生時間をクリックして先を急いだ。
はたして、世界に同じ思いでクリックボタンを押した人がいるか定かではないが、2016年3月に特報が公開されて以来、すでに38万7,000人以上がこの特報に触れたようだ。そのうちの何パーセントが、最後まで完走したことか。
で、気になる内容は?
舞台はスウェーデン南部の浜辺。白装束とも祭服ともとれる衣装に身を包んだ2人のパフォーマーが、石ころだらけの浜辺で何やら作り上げていく様子が描かれている。「空間と時間が絡まり合い、場所を超えた超現実的で夢のような世界と混ざり合っていく……」。ストーリー全般を紹介しようとする「Independent」も、その概要を正確には捉えきれてないようだ。
さて、4年後の公開に向けて、2018年には今回よりもさらに長めの「特報第二弾」を予定しているらしい。今度は72時間。こうして徐々に、精神と肉体をアジャストさせていくのが目的だったり?
もしも、GW後半暇を持て余しているようであれば、まずは7時間20分から挑戦してみてはいかが?