タイパを気にする現代人なら、発狂必須。世界最長の映画、上映時間は「5週間」

常にタイパを求める現代人が、もし1ヵ月のあいだ自由な時間を手に入れたとしたら、あなたはどのように過ごすだろうか。

世界最長の映画として知られる『Logistics(ロジスティクス)』の上映時間は、なんと51,420分。日数に換算すれば、実に約5週間。想像できないほど膨大な時間だが、はたしてその内容は……?

世界のリアルを映し出す5週間

2012年にErika MagnussonとDaniel Anderssonによって制作された『Logistics(ロジスティクス)』は、私たちが普段何気なく使っている電子機器の生産過程を追ったドキュメンタリー映画だ。スウェーデンのとある店の店頭から、中国の工場までを遡る旅路を、リアルタイムで克明に記録している。

しかも、その果てしない旅路を逆時系列で克明に追っていくというから、さらに興味深い。

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ちなみに、過去にTABI LABOで紹介した、世界でもっとも長い上映時間の映画『Ambiancé』は43,200分、日数換算で丸30日。

こちらも相当長いが、わずかに『Logistics』が上回る結果に。ここまでくると、一般的に長いとされる2~3時間の映画が、途端に短く感じるパラドックスに陥ってしまう……。

時間と体験の価値を問う、壮大な実験
鑑賞者は、こう語る

映画情報サイト「IMDb」に掲載された、『Logistics(ロジスティクス)』を鑑賞した猛者はこう語る。

「映画館で観たんだ、次の日仕事があったのに。結局、1ヵ月後の午前4時39分まで映画館から出られなくて、クビになったよ。」

もちろんジョークであることを願いたいが、5週間という膨大な時間をかけたとき、映画鑑賞は単なる娯楽を超え、人生を変えるほどの「体験」に変わるのかもしれない。

時間がないと嘆く前に、少し立ち止まって考えてみてはどうだろう。さすがに5週間とはいかずとも、私たちが本当に求めているのは消費するだけの時間ではなく、心揺さぶられるような濃密な体験を得られる時間なのではないだろうか……。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。