抑えきれないほどの「旅に出たい衝動」は、遺伝子のしわざ

他の人よりも明らかに旅をしている機会が多い人がいます。彼らを称して、“旅好き”とカテゴライズしてしまうのは早計。なぜなら、それは単なる欲求ではなく、遺伝子のしわざだから。この旅好き、じつは生まれる前から遺伝子レベルで決まっているというのです。

「冒険家の遺伝子」は、
ドーパミンの突然変異

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ひとつところに留まっていちゃあ、情が移っていけねぇ──。人情喜劇シリーズ『男はつらいよ』の寅さん(渥美 清)のこの言葉がまさにそれ。好奇心旺盛で、同じ場所でじっとしていられない性格から「冒険家の遺伝子」と形容される遺伝子DRD4-7Rは、ドーパミン受容体の突然変異種と考えられています。

長年にわたる研究によって、脳内の過剰なドーパミンと衝動的で危険な行動をとる傾向との間には、因果関係があることが証明されてきました。この過剰なドーパミンは、ギャンブル中毒のような問題と結びつけられてきましたが、「旅したい衝動」もそのひとつ、という研究結果も。

「旅に出よう」は、
本能的にすり込まれていた

インディアナ大学キンゼイ研究所の進化生物学者Justin Garcia氏によると、有史以来の人間は、食物、住居、仲間を見つけるために移動をくり返すうちに、移動する欲求が本能的にすり込まれていったのかもしれない、と。

こうした生物学的な背景が、現代の旅したい衝動へと形を変えたのかもしれないと推察。その反面、DRD4遺伝子は「旅を刺激的と捉える人もいれば、なかには恐ろしいと感じる人もごく少数存在している」との見方もあることを「INSIDER」は伝えています。

全人口の約20%が
遺伝子を所有

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また、カリフォルニア大学の社会行動学者Chaunsheng Chen氏は、「人類の起源とされるアフリカからより長い距離を移動していった祖先ほど、DRD4-7Rを保有している可能性が高い」、とする研究を発表しています。

同じ場所にいられない、動かねば…。こうした欲求や衝動が入植地を徐々に広げたことを思えば、今日の世界地図があるのも冒険心に満ちた有史以前の人々のたまものかもしれない。

予測では世界の全人口のおよそ20%が持つとされるこの遺伝子。とすれば、直線距離にして約12,000キロ離れた私たち日本人にも、しっかりと冒険家の遺伝子が備わっているはずです。

旅する衝動を抑えられない

とにかく旅が好きで好奇心旺盛とくれば、人間としてポジティブな要素に思えるDRD4-7R。ですが、「衝動が抑えきれず、欲求を満たすためにどんなことでもしてしまう」といった、手がつけられない状態にもなり得る可能性を唱える学者の意見も。

それだったとしても、知的好奇心と未知なる大地への欲求。それが、旅に出たい衝動の原動力だというなら…。抑えられない気持ちにフタをせず、本能に身をゆだねてみるほうが、よっぽど人間らしいのでは。

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