また会いたくなる人と、そうではない人の違いとは?
また会いたくなる人と、そうでない人。その違いは何でしょうか。もし、相手に「また会いたい」と思わせることができたのなら、仕事やプライベートなど、さまざまなシーンで人との距離をぐっと縮めることができるはずです。
老舗料亭で生まれ育ち、大学卒業後は三越に就職、のちにフロリダのディズニーで働くという長年の夢を叶えた上田比呂志さん。彼は、世界中の人とふれあうことで、相手に与える第一印象がなによりも重要だということに気がつきました。
もう一度会いたい人、になるためにはどうしたら良いのでしょう。彼の著書『日本人にしかできない「気づかい」の習慣』の言葉をなぞりながら、第一印象で相手を惹きつける仕掛けを学びましょう。
なぜ、ミッキーマウスは
生まれたのか?
ウォルト・ディズニーがディズニーランドをつくった理由。それは、彼の生い立ちに関係しています。もともと裕福な家で育ったウォルトですが、親が親戚の借金の連帯保証人になったことから、一気に貧乏暮らしに。その当時、住んでいた家の屋根裏部屋にいた一匹のねずみをペットにして癒されていたのです。
世界大戦後の不安定な世の中で「人を元気づけるものを作りたい」と思い出したのが、屋根裏部屋のねずみ。つまり、記憶に残るほどのいい印象は、どれだけ時が経っても忘れないものなのです。
第一印象は見た目ではなく
なにを話すか
「衣類は身の表(あらわれ)なり。人にまじわるに、先(ま)ずかたちを見る。次に言(ことば)をきき、次に行いを見る。」
貝原益軒による『五常訓』の言葉にもあるように、多くの場合、人間の抱く印象は、聞いたことよりも見たことから。つまり、「いい印象を残す」言葉遣いが大切です。そのためには会話の途中で「あなたに興味がありますよ」というサインを送りましょう。
私自身がよくやるのは、会話で盛り上がったことや、「興味がある」と言われたことを次にお会いする時まで覚えておき、話題にするというもの。それだけで話のネタになり、相手も喜んでくれます。覚えておいてもらったことが嬉しい。自分の好きなものを褒めてもらえると嬉しい。コミュニケーションのコツとは、そういう些細なことなのです。
「また会いたい人」の
ポイントは別れ際
私は以前、ほとんど初対面のグループで沖縄旅行へ出かけたことがありましたが、旅行後もみなさんとのお付き合いは続いています。それはきっと、帰り際のひと手間のおかげ。私はみなさんよりも一足先に帰らなければならなかったので、その人との会話など印象に残ったことをミッキーのメモに書き留め、フロントの人に預けたのです。するとそれが、二度目に会ったときの話すきっかけに。
こんなふうに種をまいておくことで、「次に会うのが楽しみ」と思える人になれます。わざわざなにか行動をしてあげなくても、別れ際に「お薦めいただいた何々、次に会った時に感想をお伝えしますね」と言うだけでもいいでしょう。それだけで相手は「また会いたい」と思ってくれるのです。