あなたを脱皮させる「できたことノート」のつくり方

人の行動を変える専門家として活動している永谷研一さんの著書『できたことノート』では、物事がプラスに転じる方法を紹介しています。気がつくとマイナス思考になってしまう人や、なかなか自分の殻を破ることができない人は、いいヒントが見つかるかもしれません。

果たして、どんなやり方があるのでしょうか?

コツコツ積み重ねることで
花開く

「できたことノート」の活用方法はとてもシンプルです。

まずは1日1~3個、小さな「できたこと」をメモにとりましょう。そして、そうしたメモしたことのなかから、1週間に1つの「できたこと」を、直感で選びましょう。何を選んでもかまいません。なぜならこのメモは、あなたの価値観が凝縮されたものだから。その後、4つの質問に回答する形で内省した文章を書きます。

1. 具体的に何があったの?(詳しい事実)
2. なぜそれができたの?(原因の分析)
3. 今、素直にどう感じる?(本音の感情)
4. 明日からどんな工夫をする?(次なる行動)

それぞれの質問に答える形で回答していくと、自然と自分を振り返ることができるようになります。すなわち内省ができている状態です。

小さな行動の変化は、いずれ大きな変化をもたらすでしょう。このノートは、そうした変化を導いてくれる「脱皮ツール」なのです。

まずは3週間からトライ

上の「できたことノート」を、まずは3週間続けてみましょう。最初は少し時間がかかるかもしれませんが、続けていくうちにだんだん書くことに慣れ、簡単にできるようになります。

3週間続けられたら、次は3ヶ月間やってみましょう。この頃には、自分の大きな変化を感じられるようになっています。ここまで続けられたら、途中で止めるのはもったいないです。自分が必要だと思う分だけ続けてください。

続けることが当たり前になった人は、口を揃えて「精神的にとても強くなった」と話しています。あるデータを分析した調査では、内省を3ヶ月以上続けた人は、続けなかった人に比べて目標達成の度合いが約2.5倍も高いという結果が出ました。

このデータは、行動を改善することが大きな成果につながることを表しているといえるでしょう。

理想の自分が見えてくる

「できたこと」を見つけ続けることで、自分のありたい姿がわかってきます。人には誰でも「こんな状態であったらいいな」という願望があるはずです。それがあなたの理想の姿です。きっと、自分の向かうべき方向を示してくれるでしょう。

毎日続けたメモには、あなたの価値観が凝縮されています。1週間のなかで書かれた言葉は、あなたが努力しようと思ったことの集まり。つまり、あなたが人生の中で大切にしていることばかりなのです。

この理想の姿を確認することで、それがモチベーションの源泉につながり、源泉から湧き上がる気力は、絶えることなく自分の内側から湧き出てくるでしょう。自分のエネルギーを知ることで、さらに前へと進むことができるようになります。

自分の使命がわかる

そして「できたこと」を書き続けると、自分は何のために行動しているのかがわかってきます。どのように仕事をしたいのか、どのような人になりたいのか……と、自分のスタイルが見えてくるようになるのです。

その答えは、すでにあなたの内側に眠っています。しかし、そのアンサーに気づく人はごくわずかでしょう。なぜなら、毎日のやることが圧倒的に多いために、思考に割く時間を取ることができないからです。

あなたに必要なのは、新しい自分を外の世界に求めることではありません。自分の内側を見つめて、思い込みの殻から脱皮することなのです。日々の「できたこと」を肯定的に捉えることで、自分の価値を見つけ、磨いていく。これを続けることできっとあなたは変わることができるでしょう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。