成功者たちに「そこそこ」の成績の人が多い理由
学生時代、評価ばかりを気にして、生活のリズムを変えてまで学業に励んだ経験はありませんか?
それが人生の目標であれば達成したと言えますが、人生でもっと大きな成功を収めるためには、その努力は必要ないかもしれません。「Elite Daily」のライター、John Haltiwangerさんの記事によれば、有名な成功者たちのエピソードからも、どうやら彼の考え方は一理あるようです。
自分の価値は
「学力」だけでは測れない
米・前々大統領のジョージ・W・ブッシュは、特別スピーチが得意というわけではありませんでした。しかし、彼は南メソジスト大学の祝辞で、とても核心をついたことを話したのです。
「今日、優秀な成績を収め、数々の賞を受けて卒業する皆さんには、“よく頑張りました”という一言を。そして、平均的な成績の皆さんには、“君も大統領になれる”という言葉を贈ります」
ブッシュ氏は、学生時代に平凡な成績しか収めていなかった自分自身のことを自虐しながら、けっして輝かしいとは言えない成績で卒業する生徒たちに、また違う視点からの物の見方を伝えようとしたのです。
彼が最も訴えたかったのは、「自分の存在価値は、成績に左右されるのではなく、人生には限りない可能性がある」ということ。
じつは歴代大統領には、学生時代にあまり思わしくない成績を残している人物が何人かいるのです。ジョン・F・ケネディ、リンドン・B・ジョンソン、そして父であるジョージ・H・W・ブッシュもそのうちのひとり。
学力は人生の成功に
比例しない
国を代表するリーダーに限らず、学生時代に成績が芳しくなくとも成功した事業家はたくさんいます。
たとえば、スティーブ・ジョブスは大学中退。マーク・ザッカーバーグやビル・ゲイツも同じです。リチャード・ブランソン氏は自身の障害のため、15歳で高校を中退しました。
つまり、教育は大切なことですが、素晴らしい未来へと繋がる道はひとつではない、ということ。有名な天体物理学者のニール・ドグラース・タイソンも、マサチューセッツ大学アマースト校卒業式の祝辞でこう述べています。
「GPA(成績評価値)が何であろうと、その成績はこれから生きていくなかで、みるみる無意味なものになっていく。なぜなら、生きていく上でGPAはどうだったか、と聞く人なんていないからだ。GPAに意味があるとすれば、それはそのときのあなたを映し出すものであって、この先の人生を決めてしまうものではない」
本当の意味での「学び」は
学校にない
知性とは、主観的なものです。つまり、学業の成果だけでは知性を測りきれません。そして、学生時代の成功は、ある特定のシステムの中で生き延びる力ではありますが、社会に出るための準備にはなりません。
人生の方向性を定めるのは、その人の性格や経験、繋がりであり、決して成績ではないのです。
成功に必要なのは情熱、忍耐、感情の豊かさ、そして失敗の価値を理解できる力です。これこそ、世界を動かしている人の多くが「平均的なC評価」である理由でしょう。彼らは学生時代に苦労の意味を理解し、多くの壁を乗り越えてきたのです。
勘違いしてほしくないのは、成績が悪ければ成功を収められるというわけではないし、成績が良いからといって常にトップに立っていられるわけではない、ということ。
人生は、山あり谷あり。学校でもたくさんのことを学べますが、本当の教育というのは、教室を離れたときに始まります。
いつまでも学ぶことをやめず、諦めず、その人生を楽しむことを忘れないようにしましょう。