空港の「ハラル弁当」には料理人たちのある願いが込められていた
空港ってなぜかワクワクする。そこにしかないお土産や食べ物などがあるから。「空弁」もその1つ。たくさんありすぎて、選ぶだけで迷っちゃう。海の幸づくしの王道もの。黒毛和牛が入っている高級感があるもの。子どもにも気に入ってもらえる飛行機の形をした入れ物に入ったもの。
どんどん進化しているけど、そもそも空港で自分に合う食べ物を見つけるのは簡単ではないはず。どれほど山積みになった空弁があっても、特に食事に制限がある人たちなら尚更。
羽田空港の第2ビルで食べられる彩り豊かなお弁当。これ実は、ハラルフードを求めるムスリムの人たちも、安心して手にとれる食材や調理法で作られた「ハラル弁当」。
写真はビーフケバブを主役にしたもので、価格は1620円。
料理人たちの願いが
込められている
肉はイスラムの方式で食肉処理されたもので、血抜きをされているか?アルコール類が入っている調味料を使っていないか?ハラルフードには本当に様々なルールがあり、ハラルじゃない食べ物の料理に使ったことがある鍋やフライパンを避けるなど、それは調理方にまで及ぶ。
このお弁当を提供している「HALAL WORLD」の経営者や料理人もイスラム圏出身だ。約30年前に来日した経営者は、日本でハラルフードを見つける大変さを誰よりも理解しているという。
彼らは、日本に来たムスリムの人たちが「安心できるハラルフードを見つけられるように」と願うのはもちろんのこと、自分たちの料理を食べて喜んでもらって、少しでも楽しい時間を過ごしてもらえるよう「応援」しているのだ。
日本に着いたらすぐお届け
出国する前にも
このお弁当が他の空弁と違うポイントは他にもある。注文を受けて実際に作る直営レストラン「ミセス イスタンブール」がある第2ビルにいない場合でも、ターミナルをまたいでスタッフが届けてくれるという点だ。
フライトまで少しだけ空き時間があるけど何食べよう。いつも同じものばかりだから違うのを試したい。今から帰宅するけどお腹空いてしまった。そんな時に利用できそう。
お弁当以外でも「ミセス イスタンブール」では、ケバブ・サンドイッチ・トルコライス・ピラフプレートなど多彩なメニューを堪能できる。
ケバブ(930円)は甘口から辛口まで調整が可能だ。
空の玄関口とも呼ばれる空港にあるのだから、外国人旅行者も増えている今、「ハラル」が私たちの生活にもっと浸透していきそう。