おきて破りの「超・時短クッキング」まさか…洗濯機に生モノ!?

フランス料理で用いられる調理法に「Sous vide(スーヴィード)」がある。空気に触れない状態で一定の温度を保ったまま、素材に火を均一に通していくというもの。昨今はやりの低温調理(真空調理)がそれだ。いくらその応用とは言っても……。

生モノを洗濯機に入れていいはずがない!

低温調理法を応用した
画期的アイデア…なのか

高密度ポリエチレン100%、耐水性に優れたそのバッグの名は「Sous La Vie」。

食材や調味料をダイレクトに袋の中に詰め込んだら、ロールトップのデイバッグよろしく、この洗濯物袋(としか思えない)のようなバッグで真空密封状態をつくりだし、そのまま衣類とともに洗濯機に放り込む。あとは、洗濯が終わるまで、じっくり火が通るのと、衣類がキレイに洗われるのを待つだけ、というシロモノらしい。

どこまで本気ナンダ!?

ご丁寧に用意された3種のバッグはそれぞれ肉、魚、野菜用。例えば野菜であれば、短時間で火が通るため、「コットンモードでスピーディーな調理がおすすめ」、「お肉の調理は合成繊維モードでじっくりと」、だそうだ。

未来型の「超・時短術」は、
誰トクなのか?

洗濯中に中身がこぼれ出ては元も子もない。当然ながら、素材選びは慎重を期す作業だったという。目をつけたのは、医療用滅菌包材や化学防護服にも使用される、最新の防水型不繊布だった。

それにしても、家事を1つにまとめてしまうこの発想、いったい“誰トク”なんだろう。

せめて、奇想天外なバッグのコンセプトだけでも知りたい。居てもたってもいられず、デザインを手がけたテルアビブの「gray-desing」に突撃。すると、アーティストから、思いもよらないトーンで返信が。

難しく考えてるのは、
見る側のほうだってば

以下はあくまで英文の羅列から受けた、ライターの解釈だということはことわっておきたい。でも、ほぼこんな調子だ。

「ボクにとって重要なことはさ、これを目にした人たちがどう反応するかってことでしかないんだよね。コンセプトはどこにあるか?とかさ、意味を探り当てようとすること自体ナンセンスだってば。

もっと単純でいいの。『こんなのアリかもね』っていう可能性レベルの話。単なるアートワークなんだから、マジメに捉えないでよ(笑)」。

狐につままれた気分とは、きっとこういうこと。でも、メッセージを受け取ってはじめて、それまで意識もしていなかった「Sous La Vie」というネーミングが頭から離れなくなった。

C'est la vie(セ・ラヴィ)
人生なんて、まあこんなもんさ

フランス人がよく口にするあのフレーズ、ほとんどそのままじゃないか!こうなるともう、完全にヤラレタ…なわけである。でもなんでだろう、イヤな気はしないんだ。

もう、こんな商品が世に登場しようが、パロディだろうが、そんなことどうでもいい。バカバカしい動画を大いに笑い飛ばしてやろう。

Licensed material used with permission by GRAY DESIGN, NOW THIS
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。