理想に正直に。「人形になった人間モデル」の生き方が、胸を打つ。

「お人形さんみたい」。かわいい女の子に向けられる常套句。まばたきするたび星が散るほど大きな目、それを丁寧に縁取る長いまつげ。陶器のように滑らかな肌に、うっすら滲む血のばら色。

でもそんな「ドール」に本当になるなんて、現実では夢のまた夢だった。彼女が世にでる前までは。

この動き、人形でもロボットでもない。映っているのはまぎれもなく人間。ウィッグ、マスク、球体関節が描かれたストッキングなどから成るフルボディのスーツを身にまとった「ドールモデル」の橋本ルルは、24歳のデザイナーmillnaによって「造られた」存在。

そのルックスのインパクトはもちろん、彼女のコンセプトや込められた想いが、去年のデビュー以来、広く話題になっている。

リアルと虚構の混ざり合う
「かわいい」の新表現

フェティッシュではない。ニューエイジ・キュートがやりたいのだ、ということはデビュー当初まるで理解されませんでした。着ぐるみだから子ども向けでしょ、あるいはエロでフェチでしょ、という固定概念による決めつけ。違う。私は可愛くなりたくて、メイクやファッションとしてドールを纏っている。 

身長160cm。息づき、体温もある彼女は、自身の「ドールスーツ」スタイルをそう語っている。彼女にとってこのスーツは、ひとりの人間としての「自己表現」。

好きな服を着たり、好きな物を選んで買うのと同じように、「かわいい」の象徴だったドールを自分のスタイルにし、自身の理想を追求しているのだ。

理想への執着こそが
「人間のロマン」

全身が作り上げられた人形のスタイルでありながら、決して完全なフィクションではない生身の存在。永遠の美を持つ人形と、有限な人間のまざりあう自己表現。そこには、独自の美学・哲学が表されているようにも見える。

「中の人」がタブーワードなのはとっても不思議。人間じゃないことだけがロマンを担保するとはあんまり思いません。血が通った人間の執念を私はロマンチックに感じる。

「化粧はサギ」「自撮りサギじゃん」
…それは、あらかじめ優れて生まれた人間にしか価値はない、という考え方。好きではありません。可愛くなりたいなら、私たちにできる方法で「盛って」可愛くなっちゃいましょう!

「かわいい」の追求とは言っても、思考のないお人形さんではなく、なりたい自分に正直に、自ら理想を体現していくその姿。彼女の強い思いは、日本のみならず海外でも多くの人々を魅了している。

Licensed material used with permission by 橋本ルル
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