それも暴力だと気づいて!ファッション雑誌風のSOS

自分の服、自分で選べていますか?

「当たり前じゃん!」と答えてくれたあなたにこそ、よく見ていただきたいのが、ファッション雑誌の1ページのようなこちら。

左上のキャプションには、トップスやネックレスのブランドや、スタイリングのクレジットが記載されているはず……そう、いつもなら。

© womens_aid/Instagram

だが、ここではトップス、髪型、ネックレス、マインドコントロール、不安、自信喪失と書かれた項目すべての担当が、モデルのパートナーとなっている。この違和感たるや……。

Not model's own(モデル自身のものなどない)」と名付けられたこのキャンペーン広告は、英慈善団体「Women's Aid」が「coercive control(強制的な支配)」への認知を高めるために作ったもの。

DV(家庭内暴力)の一種であるcoercive controlは、身体的暴力こそ振るわないものの、パートナーの口紅の色から発言、交友関係に至るまでをすべて支配することを指す。日本では、精神的暴力やモラハラ、束縛という言葉の方が身近だろうか。

怪我という形で外側に現れないぶん周囲が気付きにくく、また被害者本人もパートナーに依存させられるために「自分が操られている」と気付けないのが、恐ろしいところだ。

同団体によると、2020年3月までの1年間、イングランドとウェールズで記録されたcoercive controlの犯罪件数は24,856件であり、前年の16,679件から驚くほど増加しているという。

兆候を知らなければ判別が難しい暴力だからこそ、自分はもちろん、家族や親友をよく見つめていてほしい。

したいメイク、会いたい人、行きたい場所……だれにも制限されていないだろうか?

Top image: © iStock.com/nadia_bormotova
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。