【女性の権利喪失?】米国で、希望者の「4人に1人」が中絶を受けられていない

昨年、アメリカにおいて「女性の中絶権」を覆したドブス判決──。

中絶禁止が招く、出生率の上昇と社会に残る深刻な実態が明らかにされた。

この記事の要点

・ドブス判決後、アメリカでは「中絶を希望しながらできなかった人々」が4分の1の割合に達していることが明らかに。

・中絶の規制により、ヒスパニック女性や若年層女性の間で特に顕著な出生率の上昇が見られた。

・中絶への制限は出生数の増加だけでなく、貧困の格差も引き起こしている。

経済研究機関「IZA」の調査によると、米国における中絶権の違憲判決が下されて以降、希望者の約4分の1が中絶を受けられなくなったという。

人工妊娠中絶を認めた49年前の判断が、昨年の「ドブス判決」によって覆され、これまで米国で認められてきた中絶が州法で禁止になった。これにより、多くの州が中絶禁止を打ち出してきたのだ。

調査の結果、2023年の上半期で、中絶が禁止されている州では予想より約32,000件多くの出生が記録されたようだ。また、これらの州の平均出生率は、中絶が制限されていない州と比べて2.3%高かったことも明らかになっている。

Johns Hopkins大学のAlison Gemmill助教授は、人口レベルで変化の兆候があるという事実は「非常に強力な証拠である」と発言。中絶規制の直接的な影響が明確に現れていることについて、危惧する専門家も少なくないようだ。

さらに中絶禁止をめぐる問題は、経済的格差の深刻化を招く恐れがあるとの指摘も。

Rachel Hardeman教授は、中絶権が認められていない状況が、経済的安定を築くことができない人々に「ドミノ倒しのような連鎖を引き起こしている」と説明する。

中絶が認められる州への移動費用が確保できない女性は、養育費や支援が不十分なまま望まない妊娠を強いられる可能性がある。さらに経済的困難を抱えるという悪循環が生まれるのだ。

実際、ヒスパニック女性や20代前半の若い女性の間で特に顕著な影響が現れており、それぞれ4.7%、3.3%の出生率の増加が見られた。統計からも、予期せぬの出産が個人や子供、そして家族全体の健康や生計に与える様々な影響が示唆されている。

ただ、調査で報告された数字には、胎児の異常や生命を脅かす状態を伴う妊娠も含まれており、中絶を希望する人全員が望まない妊娠をしているわけではないという。

とはいえ、中絶の制限が社会における不安定な家族を生み出している状況に目を向け、米国の女性の権利と社会的公正の観点からも慎重に議論する必要があるだろう。

参照元: CNN

※本記事はGeneraitve AIを一部活用して制作しております。

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