アフリカ系米国人として、初めて国際宇宙ステーションへ滞在する女性が誕生
数多くの候補者のなかから、特別に優秀な人材だけがそのチャンスを掴むことのできる職業、それが宇宙飛行士。地球を遥か離れた宇宙に飛び立つのは、人類の中でもほんのひと握りの選ばれた人だけ。
そんな宇宙飛行士に、新しいメンバーが加わりました。彼女の名前は、Jeanette J. Epps(ジャネット・エプス)さん。NASAによれば、アフリカ系米国人の宇宙飛行士がISSに滞在するのは史上初、とのこと。
CIA在籍の経験も持つ
航空工学のエキスパート
ニューヨーク出身のEppsさんは、もともと物理学の専門家で、修士と博士では高い研究技術でも知られるメリーランド大学で航空工学を専攻していたそうです。
卒業後はフォード社で科学技術研究所の技術スペシャリストとして働いたのち、CIA(米中央情報局)に、技術情報官として7年間在籍という経歴の持ち主。そして、2009年にNASAの宇宙飛行士候補へ。
宇宙開発と公民権運動
ふたつの歴史が交差する
人類で初めて宇宙飛行を遂げ「地球は青かった」という名言を残したのは、ソビエト連邦のユーリイ・ガガーリン。それから現在に至るまで半世紀以上が経ちますが、国際宇宙ステーション(ISS)にアフリカ系米国人が滞在することはありませんでした。
ガガーリンが世界初の宇宙飛行士となったのは1961年ですが、奇しくも公民権運動がピークになった時期と重なります。彼女のISS滞在は、宇宙開発の歴史、そしてアフリカ系米国人たちが戦い続けてきた差別の歴史が交差する、ひとつの結節点と言えるのかもしれません。
2018年のフライトに向けて
鋭意訓練中
Eppsさんは、2018年5月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定。現在行われている、フライトに向けた訓練の様子をツイートしています。
最高峰の技術を投入してもなお、危険と隣り合わせなのが宇宙開発。フライトエンジニアとして活躍する彼女の姿を見守りたいものです。
Licensed material used with permission by NASA