中絶したくてもできなかった女性たちに、希望の光を

現在のアメリカにおいて、「中絶の権利」は州ごとに異なる。そのため、望まない妊娠をした女性が隣の州まで移動して中絶する……なんてことも少なくない。

アメリカ東部に位置するメリーランド州は中絶が可能な地域のひとつ。しかしながら、西側のアリゲイニー郡は比較的貧しい上に公共交通機関も整っていないため、専門的な医療を受けるのはとても難しく、また別の理由で中絶が困難になっている。

そんなアリゲイニー郡に6月上旬、中絶を含めたさまざまなサービスが提供されるとても”戦略的”な「ウィメンズ・ヘルス・センター」が開設された。

何が「戦略的」かは、この施設が建てられた「場所」に注目してほしい。

メリーランド州に隣接するペンシルベニア州南西部、オハイオ州、ウェストバージニア州は、中絶に関する規制が厳しいため、ここ一帯が「中絶砂漠」のような状態だった。しかし、それらの地域から比較的近いアリゲイニー郡にクリニックを設けたことで、その地域に住む女性だけでなく、より多くの女性がアクセスできるようになったのだ。

もちろんテープカットイベントには、中絶反対派のデモ隊が「ここは赤ちゃんが殺される場所だ!」と大声で叫ぶ姿も。しかし、人が中絶を選ぶ理由も、状況も様々だから、それに良し悪しも正解不正解もつけられないのが正直なところ。

限られた条件の中でのこういったオアシスは、それを必要とする女性に希望を与えてくれるはず──。

Top image: © iStock.com/Amparo Garcia
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