「産むかどうかは自分で決めさせて!」アイルランドの妊婦たちが訴える
「助けを借りないとバスタブから出られないこと」
「チキンの匂いがしたら気分が悪くなること」
「足がむくんでしまうこと」
「お腹がつっかえてペディキュアを塗ることができないこと」
妊娠中、イライラすることについて動画で語る女性たち。不満を口にしつつも、自分の経験を笑顔で話す彼女たちを見ると、辛いことを乗り越えたからこそ良い思い出になっているのだと思えます。
しかし、40秒を過ぎたあたりから、動画のトーンは突然変わります。
「中絶手術のために
海外に行かなければいけないこと」
動画の後半から始まる彼女たちのメッセージは、アイルランド政府に対するもの。The Eighth Amendmentとして知られる憲法40条は、女性の命に危険性がある場合を除いて、中絶を禁止しているのです。
レイプされ、妊娠してしまった場合でも治療を受けることができない現状で、「Repeal Eight」は14歳の女性がイギリスに行き、手術を受けなければいけなかった事実を紹介しています。
2018年の選挙に向けて、この問題を多くの人に知ってもらおうという目的でビデオを制作した「Amnesty International Ireland」はこう言います。
「誰であっても自分の体に関わることは自分で決められるべき。妊娠をすることも中絶をすることも、私たちの人権なのです」
中絶できないというアイルランドの状況を踏まえたうえで、改めて彼女たちがイライラすることを。
「自分のお腹から子どもが産まれても、長生きしないと言われていること」
「自分の意見がまったく尊重されないこと」
「お母さんになる準備ができていないのに、何もできないこと」
「どうせ中絶ができないからと医者が判断して、全ての情報を教えてもらえないこと」
「赤ちゃんのためだからと説得されるけど、本当は病院のためだとわかっていること」
「中絶手術のために海外に行かなければいけないこと」
「政府に犯罪者扱いされること」