「音楽は好き?」この質問をイヤと思う人もいる。
聴覚に障害のある人たちに、ある質問をした「Cut」のインタビュー動画がいま注目を集めています。彼らにとって、それはとてもデリケートな問いかけ。
「今までされてイヤだと思った質問は?」
ときに心ない言葉で誰かを傷つけてしまうことがあります。それは、耳が聞こえる聞こえないに関係なく。
「たくさんありすぎて。どれから言えばいいんだろう…」
「『俺みたいに聞こえる人ともデートできる?』って言われたことがあります。一応『ええ』って答えたけど、一体それに何の問題があるっていうの?って思った。私たちはただ“聞こえない”ってだけなのに」
「『音楽は好き?』って聞かれたこと」
「『耳が聞こえない人ってセックスできるの?』って」
「何回か『読み書きはできるの?』って聞かれたよ」
「『くーちーびーるーでーこーとーばーがーわーかーる?』ってゆっくり聞かれること」
「みんな同じ質問ばかり繰り返すの」
「よく『運転できる?』って聞かれる。もちろんできるに決まってるよ!」
「それに、たまに『車いすが必要?』って聞かれる。なんだよそれ!僕が目の前で普通に立ってるのに、だよ」
「『手話って万国共通なの?』って聞かれるけど、万国共通の言語なんてあるかい?」
「質問じゃないけど、本当に聞こえないのか試されるのがイヤかな。すぐ後ろで叫ばれたりね」
聞こえるように
なりたいと
思ったことはある?
「どうかなぁ。僕は生まれたときから耳が聞こえないから…」
「一度もないわね!」
「世の中の人の大半は聞こえるわけだから、みんなと同じになってみたいって思ったことはある」
「もちろんあるよ。不便なことも多いしね。でもこれからの人生ずっと聞こえるようになりたいかっていうと、そうは思わない。私は聞こえないままがいい。私はこの『聞こえない人生』が嫌いじゃないから。自分の人生に100%満足しているし、耳が聞こえないことを誇りに思ってる」
「もし聞こえるようになったら、そのことを特権みたいに考えてしまうと思う。そういうふうに考えることのほうがイヤなの。今の私に十分満足しているんだもの」
「僕は聞こえるようになりたいと思わない。そう思う理由がない。聞こえないことは僕のコミュニティや文化に結びついているからね」
「もし聞こえるようになったら、アイデンティティを失ってしまうと思うんだ」
「そういう質問をする人は『耳が聞こえなければ完ぺきな人生は送れない』と思っているよね。でも聞こえる人たちは僕たちの世界を何も知らないじゃないか。僕には他の人生は想像できないね」
「もし自分が聞かれたらイヤだろうな」という質問。あなたはどう思いますか?