いまアメリカで起きている人種差別論争は、日本でも起こりうるかもしれない。
「日本人は暴力的だ」と一括りにされたら、あなたはどう感じますか?そんなことを頭に入れつつ、この記事を読んでみてください。
いま、アメリカの一部で起きている論争は、まさにこうした偏った意見が問題になっています。まずは、きっかけとなった全米ライフル協会の動画を見てみましょう。
賛同する人もいれば
プロパガンダだと批判する人も
ダナ・ローズチによる渦中の動画を要約すると、「黒人はメディアを上手く利用しているし、学校では大統領を批判するような教育をしている。さらに、人種差別を過剰に訴え、道路や空港で暴力的なデモを起こしている。だから、警察官は銃を持って止めなければいけない」というもの。
これに対して、アメリカでは論争が起こっているのです。警察が銃を持っているおかげで命を救われたと言う人もいれば、偏見を植えつけてしまうので取り下げてほしいと要求する人もいます。
Funmilola Fagbamilaは後者をサポートするアクティビスト。彼女は同じような内容を語ることで、ある一部の人が起こしたモラルのない行動を、多くの人がやっていると勘違いしてしまう危険性がこの動画にはあると伝えようとしました。
彼女は、「ライフル協会の人たちは銃を黒人を撃つために使っているし、黒人を刑務所に送ろうとしている。それに対抗する唯一の道は、今の社会に潜む差別を訴えるデモなのだ。だから、私たちは戦い続ける」と、あえて偏見を作るように語ります。これには、銃の所有を支持する人から多くの批判のコメントが相次ぎました。
しかし、彼女のメッセージには続きがあります。
「私たちはより良い生活を求めているのです。それを全米ライフル協会が暴力的だと一括りにするのは違うのではないでしょうか。アフリカ系アメリカ人は全く恐れていませんが、こういったことがあるので自分たちの生活が安全ではないと知っています。
だから、メディアに意見を投稿するのです。もちろん、子どもたちへの教育だって。デモを起こすこともあるでしょう。全ては生活のため。
全米ライフル協会の偏見を植え付けるビデオを公開したことに抗議し、私たちは取り下げるように要求します」
そして、最後には無実なのに殺害されてしまったアフリカ系アメリカ人の親族の方たちが。この人たちも暴力的だと言えるのでしょうか?
日本人にとっても
他人事ではないのかもしれない
一番初めの質問、誰だって日本人が暴力的と言われたら、「僕は違う」という抵抗感を覚えるはず。アフリカ系アメリカ人の多くが、この想いを抱えているのではないでしょうか。
もしかすると、僕たちにとって「人種差別」は身近に感じないことかも。だけど、グローバル化が進み、ダイバーシティという言葉が日本でも浸透していることを考えると、このような論争は意外と他人事ではないのかもしれません。