音楽を聴いて鳥肌が立つ人は、普通とは違う脳の持ち主。(米・研究結果)
寒いと感じたときに立つ鳥肌。ちょっと調べてみると、立毛筋というものが収縮して、体から熱を逃さないようにするための機能なんだとか。
興味深いことに、寒さを凌ぐための防衛反応が、音楽を聴いているときにも起きることがあります。あの、ゾワァ〜とする感覚。
これには神経回路が関係しているのだろうと考えられていたけど、詳しい部位を特定することはできていなかったようです。昨年、謎を解き明かすべく行われたアメリカの研究を紹介しましょう。
音楽を聴いているときに
脳の感情を司る部分が活発化
音楽を聴いて鳥肌が立つときに、脳のどこの部分がどう反応しているのかを調べたのは、現在、南カリフォルニア大学の研究員として活躍しているMatthew E. Sachsさん。
研究では、237人にアンケート調査を実施したうえで、年齢や性別の割合を同じにし、合計20人の音楽を聴いて鳥肌が立つ人とそうでない人を集めました。
簡単に実験方法を説明すると、「彼らが好きな曲を聴いているとき」と「普通に過ごしているとき」に、脳がどのように機能しているのかをMRIを使って観察。結果は、鳥肌の立つ人は、脳の中で音を処理する部分と感情を司る部分のコネクションがより強かったそう。
つまり、両者の大きな違いは、「脳の構造」にあるようです。
だけど、鳥肌が立つのは、映画やスポーツを観ているときにも起こります。先の研究をこれらの状況に当てはめて考えれば、説明がつくかもしれません。
映画だったら、セリフやサウンドエフェクトに対して、脳が反応を示している。スポーツの場合は、華麗なプレーに盛り上がるサポーターの歓声が影響をしている。
つまり、鳥肌には視覚よりも聴覚が関係しているのでしょう。そうだと仮定するなら、アートや絶景を見ただけで同じ現象が起きる人って、もっと特別な脳を持っているのかもしれませんね。
Reference:Oxford Academic