社会人5年未満向け。今日から始められる「小さな行動」
「20代なんてあっという間」、「若いうちから勉強しておいた方が良い」……よく聞く言葉ですが、具体的に何をすれば良いのか分からず、悶々と日々を送っている。まさにそんな20代が、いまこのコンテンツを目にしているかもしれません。
そんな人たちにぜひ読んでもらいたいのが、『20代に伝えたい50のこと』(ダイヤモンド社)。精神論でゴリ押しするような自己啓発系の本と一味違うのは、「言われてみればそうかも」みたいな、膝を打つ感覚で書かれているから。つまりは自分事として捉えやすい(ここ重要)。
著者はインターンシップの事業を立ち上げ、メディアでは日本の主な若手社会起業家の一人として紹介されている秋元祥治さん。50もあるメッセージの中から、「たしかに〜」なんてつぶやいちゃいそうな3項目をピックしてみました。
一難去ってまた一難、
「ピンチの連続」こそ成長の証
仕事でもプライベートでも、良い時もあれば悪い時もあります。ピンチがやってくるのは当然のこと。調子の良い時こそ慢心せずに着実に取り組んでいきたいものです。
私(著者)も16年前に会社を立ち上げて以来、ヒト、モノ、カネ、様々な出来事がありました。そして振り返ってみると、何度も心の中でこうつぶやいたものです。
「ああ、これは人生最大のピンチだ!」
……不思議なことだと思いませんか? 人生最大のピンチが何度も訪れていますよね。では、なぜ何度も人生最大のピンチが訪れるのでしょうか?
それは自身の成長の証だと思うのです。ピンチとは、自身で「何とかできる」と「どうすることもできない」のギリギリのところを呼ぶものだと思います。危機が何度も訪れるということは、それだけ「ピンチ」と感じられる幅が広がっているということ。つまり、出来ることが広がっているという成長の証なのです。
たとえばカフェでアルバイトを始めて早々であれば、レジで3~4組のお客さんが並ぶだけであたふたするもの。本人にとってはピンチを感じているわけですよね。
一方で、1年職場で経験を積めば、3~4組のお客さんが並んでもあせることなく接客できるでしょう。慣れてきた頃、今度はクレーマーに文句を言われた……初めての経験なのでやはりあせってしまいます。しかし、これも経験を積めば、以前出来なかった対応もきっちりできるようになります。
この事例から「ピンチを乗り越えた時にまた一つ出来ることが増えていく」
ということが分かります。そう考えられるようになれば、自ずと危機的状況に出会ってもポジティブに物事を進めることができるでしょう。
弟子入りする際に重要なのは完コピ
成長するための近道は、目指すべき存在を明確にすること。つまり師匠やメンター(良き指導者)と言える存在を身近に持つことです。そして、師匠の再現を目指してまずは完コピすることが重要な鍵を握ります。なぜならば、目指すべき人と同じことができれば、まずはその高みに達することが出来るからです。
もちろん、誰もが自分らしさを出したいという気持ちはあるでしょう。自分自身で高いパフォーマンスをあげられる実績やノウハウがあるのであれば、自分らしく取り組めば良いと思います。
しかし、実績やノウハウがないのであれば真似をすることが大切。それこそが上達する一歩なのです。日常でもそうです。会議の議事録の取り方や、プレゼンの仕方まで。まず「あの人のように仕事が出来るようになりたい」という先輩を見つけ、徹底的に真似してみてください。
「守・破・離(しゅはり)」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。これは、武道や芸術など、日本古来から師弟関係のあり方を端的に示した言葉だといわれます。
まず師匠から言われたことを「守る」。その上で、その型を自分と照らし合わせ試行錯誤し、よりよい型を作ることで既存のモノを「破る」。最終的には自分が作った型を使いこなし、師匠の型から「離れる」という概念です。
だからこそ「なりたい自分になるために、まずは完コピから始めよう!」とおすすめできるのです。安心してください。結局は自分で行うことだから、自然と自分らしさがにじみ出るものですよ。
視野を広げ、新たな出会いを生む
“2枚目の名刺”
「働き方改革」という言葉を目にする機会が増えてきました。「働き方改革」とは、簡単に言ってしまえば「長時間労働を辞めて生産性を上げていく」ということです。
今後、その「働き方改革」が進んで定時で帰ることが増えた時、あなたはその時間に何を充てるでしょうか。家族や親しい人と過ごす、趣味に没頭する……。もちろん、使い方はあなた次第ですが、僕が選択肢の一つとしてオススメしたいのは「2枚目の名刺を持つ」ことです。
言うまでもなく、1枚目の名刺は今あなたが所属している組織の名刺です。それとは別に、もう1枚の名刺を持ってはどうか? という提案です。興味や関心のある分野のサークルに入ってみる。地域活動に参加してみる。友だちと会社を立ち上げるというのも面白いかもしれません。
2枚目の名刺を持つと、視野が広がります。一つの職業に長く従事していると、ものの見方が偏ったものになりがちです。新聞やメディアを見ていても、自分と関係のある情報は感度高くキャッチするようになりますが、裏を返せばその他の情報をスルーしてしまいがちです。
本業とは別にもうひとつ自分の顔を持つことで、その分野における情報へのアンテナが高くなり、今まで出会うことのなかった情報に出会えるようになります。
もちろん「人」との出会いも同様。2枚目の名刺を持つことで、本業だけでは出会えなかった人に出会えるようになるはずです。さらに、その出会いには利害がないことが多い。つまり、上司や同僚、顧客という関係性の外にある出会いですから、友だちを作ることにもつながります。
2枚目の名刺を駆使して、「自分をレアカードに育ててみる」ことが大切です。ぜひ新しいコミュニティーに飛び込んでみてください。