韓国のリゾート「チェジュ島」は、大自然とセンスに溢れる「大人旅の穴場」だった
韓国人にとって「一度は訪れたい憧れの場所」であり、その豊かな自然と美しさから、島の名前そのものがブランド化しているという韓国・チェジュ島。
正直、日本人にとってはあまりイメージのない島ですが、ソウルや釜山とはまた違う韓国がそこにはあります。
沖縄の離島のような、落ち着いた雰囲気漂うチェジュ島へ、今回「しっぽり大人旅」をしてくれたのは、プライベートでも仲の良い高山都(左)さん、高山直子(中央)さん、行方ひさこさん(右)。3人が2泊3日で訪れたチェジュ島の魅力をたっぷりご紹介します。
Fraisier代表、la Balanceディレクター、モデル
株式会社Fraisierの代表として、まつ毛エクステサロン、ネイルサロンを東京大阪で5店舗展開する。同時にファッション誌やカルチャーマガジン、テレビ番組出演など「女性の美のトータルプロデューサー」として活躍の場を広げ、2016年には初のスタイルブック『NAOKO balance』を双葉社より出版。“キレイ”と“カワイイ”のエバンジェリストとして日々情報発信を続けている。
モデル、女優、タレント
ビューティモデル、女優、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。趣味は料理、マラソン。「#みやれゴハン」として料理や器などを毎日紹介するインスタグラムが人気。趣味のマラソンでは3時間41分の記録を持っている。自身の著書に『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』『高山都の美 食 姿2 「日々のコツコツ」続いてます。』がある。
ブランドディレクター
最も価値のある資産となる「ブランド」価値を高めるコンセプトメイクを行うブランディングディレクター。アパレルブランド経営やデザイナーの経験を活かし、スポーツ、フード、ビューティなど幅広い分野で活動中。ニュートラルなマインドで、より多くのファンの獲得を戦略的に考え、ターゲットに届けるコミュニケーションの仕組みをつくっている。
本当に韓国?と疑うほどの「青の絶景」
「え、うそ!?本当に韓国!?」
チェジュ市の西側にあるヒョプチェ海岸に到着すると、思わず漏れてきた声。文字通り、透きとおる海が目の前に広がります。夏になると、海水浴客で賑わうというこの場所は、冬の朝はとても静かで、地元の人の散歩コース。
干潮時のヒョプチェ海岸は、かなり沖まで行くことができる。3人が立つ場所は1時間後には海の中。
チェジュ市の東側にあるハムドッ海水浴場も、島内で最も美しいとされるビーチのひとつ。火山の島らしく、ビーチそばのオルム(小さな火山)を登ると、どこまでも広がるスカイブルーの海と、遠くにチェジュ市内を見渡せます。
世界自然遺産「城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)」をのぞむクァンチギ海岸も人気のスポット。約5000年前に海中で火山が噴火し、その火山灰が積もってできた城山日出峰は、もちろん登ることもできますが、海岸から眺めるだけでもその壮大さを感じることができます。
ハムドッ海水浴場の右手にあるオルム「ソウボン」から見えるスカイブルーの海。
世界自然遺産「城山日出峰」を背にクァンチギ海岸に佇む3人。
「韓国にこんなビーチがあるんだ」
そう、3人と同じように誰もが思うでしょう。韓国に海というイメージなんて全然なかったけれど、これだけ立派なビーチがあるのであれば、沖縄のかわりにチェジュ島という選択も全然アリ。
思わずシャッターを切ってしまう
「山の絶景たち」
東洋のハワイと呼ばれるだけ、その海の美しさは知られていますが、山の自然だって負けてません。
とくに秋から冬にかけての絶景といえば、「サングムブリ」という噴火口まわりにできた丘です。世界的にも珍しい陥没した噴火口のまわりに、金色のススキが一面に咲き誇り、太陽の光を浴びながら、そよ風に揺られる姿を見ると、思わず黄昏れてしまいたくなります。
背の高いススキに囲まれながら、深く陥没した噴火口の向こう側を眺める。
どこまでも続く黄金のススキ。
東洋最大の椿の樹木園である「カメリアヒル」は、80カ国の500種、6,000本あまりの椿が咲き誇る自然公園。散策道があり、いたるところにベンチや可愛らしい仕掛けがあって、思わずシャッターを切ってしまうスポットがたくさんあります。マイ三脚を片手に写真を撮りまくる韓国人の横で、3人も負けじと撮影!
ちょうど満開のピークを迎えていたピンクの椿の前で記念撮影。
韓国のプレミアムティーブランド「オソルロク」の茶畑も、ここチェジュ島にあります。
一面に広がる茶畑を見学した後は、伝統的なお茶の淹れ方を習う「ティーストーン」という体験を。すべて韓国語で行われますが、先生がお手本を見せながらゆっくりと教えてくれるので、3人も先生に倣ってトライ。
思わず走り出したくなるくらいまっすぐな茶畑は、自由に入ることができる。
韓国式の茶道も、まずは精神を落ち着かせることから。凛と丁寧に。
海に負けない、豊かな山の絶景も、チェジュ島に来たら感じて欲しい魅力のひとつです。
本土では味わえない「ローカルグルメ」
韓国本土では、肉といえば牛肉を指すそうですが、チェジュ島では主に豚肉を指します。
「コギククス」はその代表。あっさりめの豚骨スープにククスと呼ばれる中太麺、ジューシーでほろりと柔らかいゆで豚がトッピングされています。空港から車で10分の「三代ククス会館」は、地元民が愛するコギククスが有名な食堂。ちょっと量が多めだけど、3人はペロリ!
見た目よりも意外とあっさりしているコギククス(一番下)。左は甘辛ソースと絡めて食べるビビンククス、右上は優しいイワシ出汁のミョルチククス。
韓国といえば焼肉ですが、チェジュ島の焼肉は、本土の焼肉とは一味違います。引き締まった繊維の細かい黒豚のオギョプサル(五枚肉)を、イワシの塩辛ソースにつけて食べるのがチェジュ流。
鼻に抜けるイワシの香りが美味しい塩辛ソースに、焼きたてのジューシーな肉をくぐらせ、サンチュに巻いて、コチュジャンや塩、ワサビなどにつけて頂きます。
大きな塊肉がドーン。一人一ブロックいただきます。
チェジュ島に来ると必ず見かけるのが特産物「みかん」。島には数え切れないほどのみかん農園があり、冬には収穫体験ができます。収穫できるのは日本でもお馴染みの温州みかん。どの農園も約500円で食べ放題、そして一人1kgお土産に持って帰れるという太っ腹!
みかん狩りを楽しむ3人。狙うのは小ぶりでキュッとしまったみかん。
市場には数えきれない種類のみかんがズラリと並ぶ。みかんを使ったジュースやジャムなどの加工品も豊富です。
ご当地グルメではないけれど、島で最も伝統的な「東門市場」は食べ歩きにぴったりの場所。意外と食欲旺盛な3人は、目にとまるものをパクパク。やっぱり旅の醍醐味は食ですね。
韓国の定番屋台おやつホットク(₩500、約50円)。黒糖のあま〜いやつと、チャプチェのしょっぱいやつ。
屋台で買ったトッポギを食べる3人。甘辛いソースに絡むトッポギ(もち)、練り物、卵、どれから食べようか悩みます。
済州観光公社のインスタグラムでは美味しいグルメなど現地の情報がタイムリーにアップされているので、チェックしてみてください。
抜群にセンスがいいカフェ&レストラン
韓国はカフェ文化が根強い国。チェジュ島にも近年おしゃれなカフェが次々とオープンしています。
地元民にも人気なのが、冒頭のヒョプチェ海岸のそばにある「パラトドス 」。太陽の光が射しキラキラと輝く海を眺めながら、カフェ自慢の手作りケーキを頂きました。ニンジンも特産品ということで、程よい甘さが美味しいニンジンケーキが3人のおすすめ。
ヒョプチェ海岸を見渡す窓側の席で、お茶する3人。
チェジュ島の自然を材料にしているオーガニックコスメブランド「イニスフリー」がプロデュースするカフェではオーガニックランチが人気。
昔、竹で編んだお弁当箱にごはんを入れて漁や畑仕事へ出かけていたといいます。ここで提供しているのは、その昔ながらのお弁当からインスピレーションを受けたランチ。ボリュームたっぷりで、天気が良ければテラスで食べるのがおすすめです。
魚メインのランチボックス(左)、ブロッコリースープ(中央)、肉メインのランチボックス(右)。
日本人がまだ知らない「穴場ペンション」
実は東京都くらいの大きさがあるチェジュ島。市街地にはビルが建ち並びますが、少し離れるとそこはゆっくりとした時間が流れる田舎です。
島の資源でもある玄武岩を積み重ねた外壁と、土壁の平屋がまだまだ残っています。日本と同じように、近年では古民家を改装した宿泊施設や、古民家からインスピレーションを受けたモダンな宿泊施設がオープンするようになりました。
市場で買ったみかんを食べながらゆっくりした朝を迎える。
大きなアイランドキッチンの奥には、プールも。夜は雰囲気抜群。
今回3人が宿泊したのは「ビンテージチェジュ」という一泊一組しか泊まれないペンション。大きなアイランドキッチンとダイニングテーブルの奥には温水プールがあり、全面ガラス張り。
光が射し込む日中の明るい空間も、夜のしっぽりした雰囲気も最高のペンションです。キッチン用具もすべて揃っているので、途中のスーパーで調達したせんべいと韓国のりでちょい呑み。
ここだけではなく、チェジュ島には一泊一組限定の一軒家ペンションがたくさんあるそう。中心街で一泊して、もう一泊はこんな田舎でのんびり女子会するのもいい。まだまだ日本人が知らない穴場ペンションがたくさん眠っています。
玄武岩で作られた外壁は趣があって、どこか可愛らしい。
豊かな大自然と
韓国らしいセンスに溢れる
「大人旅の穴場」
週末旅行だと、沖縄や北海道、ソウルや台湾を思い浮かぶ人がほとんどかも知れません。しかし意外と身近なところに、これだけの海と山両方の自然に囲まれ、ゆっくりと癒されて、異国を感じれる場所があったんです。
今回の2泊3日の旅では、島の半分しか回っていません。チェジュ島にはまだまだ紹介しきれていない魅力がたくさん。いつもと違う場所で、肩の力を抜いて、しっぽり旅。あなたがまだ知らない韓国にきっと出会えるはずです。