今月号のイタリア版「VOGUE」が写真を使用しない理由とは?
世界的な権威を持つファッション雑誌のイタリア版『VOGUE』は、2020年最初に刊行する1月号において「写真を使用しない」という驚きの発表をした。
ファッション雑誌といえば、モデルが服を着用した美しい写真でページが埋められるのが普通。しかし、この号では、写真の代わりにさまざまなイラストレーターが実在のモデルが服を着用している姿を絵で表現するという。ちなみに、日本からもキャラクターデザインに定評のあるデザイナー・天野喜孝氏が参加。
©2020 NEW STANDARD
この前代未聞の決断の背景にあるのは、ファッション雑誌を刊行するという行為が環境破壊に大きく加担してしまっているという事実。こだわりを持って撮られている写真は、さまざまな場所へ多くの移動を繰り返し、多くのゴミも排出しているため、地球環境に深刻なダメージを与えることにつながっているというのだ。
そんななか、可能な限り移動や荷物の発送を抑えて制作されたという今号。内容もファッション業界における「持続可能性」がテーマになっており、大きく節約された予算は、去年11月にヴェネツィアで起こった洪水被害の復興に役立てられるという。
世界的なアーティスト7名が手がけた特別な表紙は、公式インスタグラムでも公開されているのでチェックしてみてほしい。
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