「ホームシック」という名の香水。まとう香りは「現代の地球そのもの」
ホームシックといえば、引越しで故郷を離れたり異国の地に赴いたとき、うまく馴染めずに憂鬱になったり、ふるさとが恋しくなるあの感情を思い浮かべるはず。
しかし、それとはまた違う意味合いを持つ香水「Homesick.(ホームシック)」が、旅人のためのブランド「The Observer Collection」から発売された。
意味するところは、「I'm sick for home(家が恋しい)/I'm sick of home(家にうんざり)」という2通りのホームシックである。
ブランド創業者のRobert Spangle氏によると「山火事や気候変動の影響で、安全に過ごせるホーム(家)への欲求が高まる一方で、ここから“脱出したい”という気持ちが芽生えることもある、二重性を表現したかった」とのこと。
依頼を受けた調香師のWill Inrig氏は、広い意味では“ホーム=現代の地球そのもの”と捉えたうえで、五大陸それぞれから集めた原料を使用した。
海岸や森林、教会のお香などのいい匂いだけでなく、海洋汚染を映し出すアンバーグリス(竜涎香/クジラの腸内結石)をチタン製の容器に閉じ込めれば、近未来に生きる人々に現代の地球を伝える香りのタイムカプセルの出来上がり。
ちなみに香水を専門とする情報サイト「Fragrantica」の取材によると、無機質な印象のボトルやコンセプトイメージから、Inrig氏は「宇宙の大海原で打ち上げられたボトルみたい」という感想を抱いたそうだ。
同ブランドは、香水の品質の高さを証明し、透明性を高めるために、フレグランス業界ではタブーとされている配合公開に踏み切った。
その理由についてInrig氏は「香水をより良いものにするには、後輩の学びを奨励すべきであり、そのために自分の方法を提示することが必要」とコメント。
香りはもちろん、こうした先人の想いも、近未来の私たちに受け継がれるのではないだろうか。
『Homesick.』
【容量】50ml
【価格】200ドル(約21700円)
【日本への配送料】20.17ドル(約2200円)
【香り】アルデハイド - ゼラニウム - ライム - マリンノート、アンバーグリス - オリバナム - オリス - パイン、レザー - パチュリ - トンカ - バニラ【公式サイト】https://www.observercollection.com/collection/homesick/