世界一「高価なハンバーガー」いくらでしょう?

去る6月28日、とんでもないハンバーガーが発表された。

どんなものかというと、ストレートに、“世界一高価”を自称する一品。一体いくらだと思う?ちなみにこんな感じ。

© dedaltonsvoorthuizen/Instagram

なにやら圧倒的な高級感を醸し出すこちらが、オランダで生み出された世界一高価なハンバーガー「The Golden Boy」。名前がすでにとんでもない。そしてその値段は、なんと一食5000ユーロ。つまりは、およそ54万円!! さすがにここまで高いとは(笑)

何がそんなに高いかって、使われている食材がもう大変。以下が公式サイトで掲示されている食材のリストだ。

  • Dom Perignon Champagne Bun
  • Smoked Duck Egg Mayo
  • Little Gems
  • White Truffle
  • Pickled Tiger Tomato in Japanese Matcha Tea
  • Pickled Cucumber in Japanese Matcha Tea 
  • Wagyu Burger A5
  • Best Cheddar Cheese 
  • Macallan Whiskey, Kopi Luwak Coffee BBQ Sauce
  • Joselito Bellota 100% Iberico Vintage Jamon
  • Dom Perignon Batterd Onion Ring
  • King Crab cooked in Puligny Monrachet
  • Beluga Caviar
  • Whiskey Infused Smoke

白トリュフにA5ランクの和牛キャビア・ベルーガにアラスカ産キングクラブ……という恐ろしい面々。食材だけでも強烈だけど、さらにマッカランドンペリまで入っているというから仰天だ。しかも、ドンペリバターって(笑)

超高級食材だから、予約するだけでも保険として750ユーロ(およそ9万7千円)を担保しないといけないらしい。

さらに金箔宝石で飾り付けられているとくれば、この値段にも納得できるってもの。いや、できないかもしれない。

もはやネタかと思うほど高級なハンバーガー。お金持ちの余興なのかと思いきや、そこには意外にも人道的な理念があった。

というのもこの「The Golden Boy」、超高額なその売り上げの全額がフードバンクへと寄付されるのだそう。

生み出したレストラン「De Dalton」によると、「たしかに、一食のハンバーガーに5000ユーロも支払うなんて馬鹿げてる。だけどもっと馬鹿げてるのは、今年だけで15万人ものオランダ国民がフードバンクを利用しなきゃいけない状況だってことのほう」とのこと。

新型コロナウイルスの影響もあり、同国の低所得層では食糧難が深刻になっている背景があるようだ。まさかのイイ話にも仰天。そんな「The Golden Boy」をはじめて購入したのは......

© DE DALTONS VOORTHUIZEN

KHN(オランダの接客業組合)の会長、Robèr Willemse。なるほど、最初にフードバンクへ寄付するのがこの人なのは、筋が通っている。

そして、こちらが考案者のRobbert de Veenさん。

© DE DALTONS VOORTHUIZEN

コロナ禍でお店が開けない状況の中、“なにか人々に笑顔を届けられることをしたい”という思いとハンバーガー作りへの情熱が、「The Golden Boy」を考えたきっかけになったそう。

余談だが、これを新しい所得再分配の形と見るのはどうだろう?課税などでは他の地域に逃げてしまったりと望み薄だが、これなら富裕層も楽しめるに違いない。もし流行ったら、各国政府が乗り出したりして。

ふざけた値段設定に見えて、真摯に食糧難に取り組んでいるのが憎めないところ。今後注目が集まれば、世界のセレブたちが食べたりもするのだろうか?希少な食材を切らさない程度に話題となり、オランダの食糧難が少しでも改善されていくことを願いたい。

© De Daltons/YouTube
Top image: © DE DALTONS VOORTHUIZEN
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