明治生まれの和製洋食「ハヤシライス」の謎
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ハヤシの日
とんかつ、コロッケ、オムライス……すべて明治期よりつくられるようになった、“和製洋食”だってしってました?
もちろん、とんかつのルーツはフランス料理「コートレット」だし、コロッケも「クロケット」という元になった料理があります。でも、豚肉に衣をつけて揚げ、ジャガイモでコロッケをつくったのは当時の日本人。ゆえの和製洋食。
さて、今日の「ハヤシの日」も、お察しのとおり明治に生まれたハヤシライスにちなんだもの。
では、なぜ9月8日なのか?
諸説あるうちのひとつに明治の初期、早矢仕有的(はやしゆうてき)が考案、そこから名づけられたという説。この早矢仕さん、あの「ジュンク堂書店」などでおなじみ「丸善」の創業者。
当時、貿易商会として世界各地に出張所を開設したり、日本を訪れていた外国人とも親交の深かった同氏。友人が訪れるたび、あり合わせの肉や野菜をごった煮にしてごはんに添えて提供したそうです。そう、これが「早矢仕さんのライス」でハヤシライス。やがて街のレストランでメニューになったとか。
早矢仕さんの誕生日にちなんで、同社が9月8日を「ハヤシの日」に制定したというわけ。ちなみにこのハヤシライスですが、株式会社丸善ジュンク堂書店が製造・販売するレトルト洋食シリーズ「新厨房楽」にて味わうことができます。
ところで、ハヤシライスはほかにも宮内庁発祥説や「ハッシュドビーフ」がなまった説など、出自はほかにも。いずれも薄切り肉とデミグラスソースの今日のスタイルに落ち着いているんですけどね。
というわけで今日のお昼にハヤシ、いかがです?